IKKOさんに見る美への追究心

さて、IKKOさんのホロスコープから、彼/彼女の人生の課題を垣間見てみたいと思います。

 

ネットの情報によりますと、IKKOさんは1962年1月20日16時35分頃に、現在の福智町でお生まれになったようです。
ホロスコープを出してみると次のような感じです。
一見して強い個性やクセのある人生が予想されるような出生図です。
その方の気質的要素であり、無意識的に自分自身と同化している月と相反した位置に太陽、金星、火星、土星がありますので、幼い頃から非常にプレッシャーや精神的なストレスが多かったことが予想されますし、本人の主体的意思を表す太陽に対して制限を示す土星がすぐそばにあることもこうした緊張的要素を高めているように見えます。

私にとってはホロスコープは大体において金太郎飴のように、どこを切り取っても同様の傾向を示すことが多いと感じられるのですが、太陽が山羊座最後の度数にいて、土星が水瓶座の最初の方の度数にいること、山羊座にパーソナルな天体が3つ、水瓶座にも3つの主要な天体が入っていることから、この方の人生の非常に大きなテーマとして、山羊座的なものから水瓶座的なものへの移行、というものが強く意識されているのではないかと感じられました。また、天王星と太陽がほとんどオーブなしにインコンジャクトのアスペクトをなしている点も、天王星が水瓶座の支配星であることを考えれば、更に強めているであろうことを予感させています。

この方のホロスコープは、非常に個性的で特色が強く、読むべき箇所がとても多いのですが、今日はとりあえず「飽くなき美への追究心」というテーマを切り口に考えてみたいと思います。
とても簡単に語り尽くせることはできない人物であり、ホロスコープ全体からの印象からは、何かしらの社会的使命を持っていてもおかしくないとも思わせるような方であるように感じられます。

わたしはいつも最初に出生太陽のサビアンを見ますが、山羊座の30度のサビアンは次のようなものです。
(CAPRICORN 30 °): A SECRET MEETING OF MEN RESPONSIBLE FOR EXECUTIVE DECISIONS IN WORLD AFFAIRS.(“AN ASTROLOGICAL MANDALA” By Dane Rudhyar)
私訳:世界的な問題に対して、実行的な最高意思決定の責任を負っている男達の秘密の会議。

分かりにくいので印象からの意訳を行いますと、現在の社会体制において既に適応する手段を持たないことを確認し合い、すべての主導権を放棄して、次なる流れに全面的に委ねることを体制として是認するしかない状況、ということになります。

山羊座に表される現実的で機械的な社会システムの限界を悟り、それを最終的に手放す段階になります。あらゆる既成概念や社会の枠組み意識の放棄が志向されています。それでいて、本人は古い体制側に足場を持つ存在でもあるということです。

では、何によってそれを成し遂げるのか、といったことが次なる大きな課題になるでしょう。

まずは、能力的な側面から言えば3室に冥王星が入っており、3室は乙女座が支配していることからすれば、何かしらのスキルを徹底的に追究してものにする資質に長けていることは間違いないでしょう。

そして探究心に関わるのはまずは金星です。金星はその人の持つ価値感を表し、追究し獲得して自分のものとしたいものを表します。その金星は太陽の一つ前の度数である山羊座の29度です。

(CAPRICORN 29 °): A WOMAN READING TEA LEAVES.
私訳:お茶の葉っぱを読んでいる女性。

この女性は自然の中に表されている法則性に回帰しようとしています。入り組んだ複雑そうに見える社会システムよりも、一枚の葉っぱの中に示される宇宙的法則の神秘に目覚めようとしています。一見何の変哲もなく見過ごされていた物事に対して、真摯に向き合ってみようという姿勢を持ちます。そこにより普遍的な真実を見いだしたい衝動が芽生えたのでしょう。それは偉大な変革や未知への探求心の発露とも言えるのではないでしょうか。
この女性が読んでいる葉っぱの葉脈は、人類が次に進むべき道を記す地図であると言ってもいいかも知れません。自分自身が道を知ることができれば、他者に対して道しるべとなることもできるでしょう。

この山羊座最後の連なった度数に太陽と金星を持つということは、非常に大きな意味合いを持つことになるでしょう。また、金星と太陽がごく近い位置にあることは、人生の目標が金星的な美や娯楽の追究といったものと一体化し、一般的には趣味的とされるものが人生の中心的な目的となるような生き方をすることになるでしょう。求道的に生きる、道に命を懸けるというような色合いが出てくるのではないでしょうか。

また、月と相反する位置の4つの天体の中でも、この金星とはオーブが4度未満ともっとも少なくタイトですので、自分の感情エネルギーはもっともそこに注がれやすいということがあるかも知れません。月は絶えず金星が指し示すものに強い憧れを抱き、それに捕らわれ続けることになるかも知れません。
そこに人生の主体的意思である太陽と、人生の枠組みを作り上げる土星と実行力の火星が絡んできている訳ですから、この方の月の持つ感情が志向するものが人生の中心となり、そこに活動エネルギーが注がれ、それが形を為してゆくことは必然的なことになるだろうと考えられます。

同じく山羊座に位置する火星を実行力という観点から読むと、それは21度にあります。

(CAPRICORN 21 °): A RELAY RACE.
私訳:リレー競争。

リレーという意味合いと競争という二つの意味合いを持つ言葉です。単に競争が強調されているのではなく、それがリレーされることの重要性が示されているのです。それはこの人が道を切り開いていく実行力を持っているとともに、自分が得た成果を次の走者へと渡さなければならないという、一定の社会の枠組みの中での連携を意識しているということになります。ですから、山羊座的なものから離れることを志向していながらも、社会的なものから逸脱し切ってしまうのではなく、自分の後に続く者たちのことが意識されることになるでしょう。この人が持つ実力が周辺の仲間の力を底上げするということも言えるでしょう。単発で、自分だけの活躍で終わるようなことはないということではないでしょうか。自分が頑張りながら周囲の人達を励ますことにも力を注ぐのではないかとわたしはイメージしました。

ホロスコープの中で言及したい箇所はたくさんありますが、今日のテーマに関連するとともに、ホロスコープ全体の中でも非常に特徴的な要素として、冒頭でも少し触れた天王星と太陽のインコンジャクトがあります。

このアスペクトは150度の角度を持つマイナーアスペクトですが、この方の場合はオーブが1度未満でほとんどないに等しい非常にタイトなものであり、かなり強烈に作用してくるであろうことが予想されます。そして、それが主体的意思である太陽に対してなので尚更そのように言えることになるでしょう。

インコンジャクトというのはそもそも、まったく関わり合いを持たない位置同士のものの関係性を表すとされています。「すれ違いの角度」という言われ方もされたりするようです。
天王星は水瓶座の主星でもありますが、普遍的真理に根ざした変革を意味します。太陽に対してインコンジャクトであるというのは、太陽に対して、本来は絶対になれない筈のものになれというプレッシャーを与え続けることになるでしょう。
分かりやすい例えとして端的に言えば、男が女になる、と言うようなこともそうでしょう。
しかし、それはひとつの象徴的出来事に過ぎないかも知れません。とにかく規制概念的な垣根を越えて、より普遍的な真実に根ざして生きることが強く求められているのです。単純に男が女になって女として生きるということに留まるのではなく、男女の垣根を越えた存在として分け隔てなく万物に接しようとするのではないでしょうか。

とりあえず、長くなったことと夜中の4時を回ってしまったので、今日はここまでにしたいと思います。

IKKOさんに見る美への追究心” に対して2件のコメントがあります。

  1. タイトな150度のアスペクト より:

    150度のアスペクトの説明、とても分かりやすかったです。
    既成概念から外れたもっといいものを目指す、それが目標
    私もこのアスペクトがあるのですが、とても納得できました(^-^)

    1. duct より:

      タイトな150度のアスペクト さま

      コメントいただきありがとうございました
      少しでもお役に立てたのでしたら嬉しく思います
      どうぞインコンジャクトの飽くなき追究心・探求心で今後とも頑張られてください!

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