サビアン度数の立体感2

昨日は自分の出生太陽のサビアン度数を見てみました。
太陽が主体的な意思として人生を開拓していく方向性を示しているとすれば、土星はその結果たどり着く到着点や築き上げる成果を表すものと考えられます。

この二つの天体がきっかり30度のセミセクスタイルとなっており、マイナーアスペクトとは言え、この関係性には無視できないものがあると感じられます。

セミセクスタイルは円周を12分割する度数ですので、12という数字に関連した働きを持つことになるでしょう。
12というと、タロットカードでは吊された男が該当します。極めて内省的な数字であり、吊された男は一切の活動を止めることによって、自らの内側の世界に何かを見いだそうとしています。その何かとは人間が神から与えられた叡智であり、人間が自らのうちに宇宙を見いだすような数字であると感じられます。
占星術のハウスシステムにも直接的に関わる数字ですけれども、12サインというのも、そもそもマクロコスモスに対するミクロコスモスとして表現されているものであると言ってよいのだろうと思われます。
言い換えれば、30度という度数の中に、縮小された360度が詰まっている、というようなことなのです。

そうなると、セミセクスタイルのアスペクトの天体同士は、それぞれお互いの中に異なるスケールの自分自身を見いだすということになるでしょう。人形のマトリョーシカのように、相手の中に自分を異なった形で見いだそうとするのです。

非常に分かりにくいので、実際に出生の太陽と土星のサビアンを並べて読んでみましょう。
最初が出生太陽の水瓶座4度の、二つ目が出生土星の魚座4度のサビアンイメージになります。

(AQUARIUS 4 °): A HINDU YOGI DEMONSTRATES HIS HEALING POWERS.
(私訳):インドのヨガ行者が自らの癒やしの力を証明してみせる。
(PISCES 4 °): HEAVY CAR TRAFFIC ON A NARROW ISTHMUS LINKING TWO SEASHORE RESORTS.
(私訳):二つの海岸リゾートを結ぶ狭い地峡のひどい交通渋滞。

風の不動サインである水瓶座の4度と、水の柔軟サインである魚座の4度の間に、どのような共通性と異なるものとがあるでしょうか。

同じ4度でありながら、示されている内容の間に、あまり共通性は見いだせないように感じられます。

この隣り合ったサイン同士の同じ度数の比較についてはひとまず置いておいて、昨日見たように、土星の対向度数を見てみるとどうでしょうか。魚座4度の対向度数は乙女座4度になります。

(VIRGO 4 °): BLACK AND WHITE CHILDREN PLAY TOGETHER HAPPILY.
(私訳):黒人と白人の子ども達が、一緒に幸せそうに遊んでいる。

魚座4度で示された内容と乙女座4度で示された内容には、双方ともに行き来が疎外されているふたつのものの間に、特異な状況が生まれている状態が表現されていることが分かります。

魚座については二つのものの間に渋滞という阻害状況が表現されており、乙女座では、本来阻害されている二つの人種間につながりが表現されています。
昨日、出生太陽の度数を読んだ際と同じように、対向する度数は一つのものの表と裏を表していることが、ここでも明確に示されています。

続いて、やはり土星に関して、スクエアの位置の度数についても読んでみます。

(GEMINI 4 °): HOLLY AND MISTLETOE REAWAKEN OLD MEMORIES OF CHRISTMAS.
(私訳):柊とヤドリギが、クリスマスの古い記憶を呼び覚ます。
(SAGITTARIUS 4 °): A LITTLE CHILD LEARNING TO WALK WITH THE ENCOURAGEMENT OF HIS PARENTS.
(私訳):幼子が両親の励ましのもとで歩くことを学んでいる。

解釈が若干難しいのですが、西洋ヒイラギとヤドリギというのは、後には一緒にクリスマスツリーに飾られるようになったのですが、その出自は異なっており、特にヤドリギの方は、古代ケルトや北欧神話系の信仰対象がキリスト教に集合されていく形でクリスマスの象徴となったもののようです。要するに、かつて古くには出自の異なっていたもの同士が、今では同じものの象徴として扱われていることが表現されているのだと感じられます。

一方で赤ちゃんの歩行訓練というのは、要するに赤ちゃんの二本の足が、統一的な連動した働きをするに至らずに、別々のものとしてある状態を表現していると考えられます。

風の柔軟の4度では、出自の異なるものがごちゃ混ぜに一つのものとなっており、火の柔軟の4度では、本来統一的に働くべきものが、まだ統一されずにばらばらである状態が示されており、ここでも対向する度数が同じものの表と裏として表現されています。

そして、水の柔軟で表現されている渋滞という阻害状態に対して、風の柔軟というのは、ごちゃまぜの状態をまったく意に介さない無神経さが幸福感の鍵であることを、地の柔軟で表現されている混ざり合わないものが統合されている姿に対して、火の柔軟は種を同じくするものの間にも、調和的な連携が実現するためには訓練が必要であることを示していると感じられます。

私の出生土星は、狭い通路のひどい渋滞にはまりながら、人種という超えがたい壁を越えて睦まじく交流し合う姿を夢想して、状況の打開を志しており、そのための教育的助言として、どのような調和の実現にも訓練と試行錯誤が必要であることや、物事にこだわり過ぎないラフな精神的態度というものが示されている、というように大雑把には言えるのではないかと思えます。

さて、ここで出生の太陽と土星の関係性に話を戻したいと思います。
出生の太陽は風の不動、土星は水の柔軟にあります。
この二つの関係性を読み解くのに、それぞれに対向したりスクエアの位置として出てきたものの内容を参考にしてみましょう。

例えば、出生太陽に対して、土星のスクエアに当たる双子座4度は120度の調和的関係にあります。セミスクエアの位置にある度数同士は、それぞれにとって批判的・教育的な度数と非常に調和的な位置関係にある、ということが言えます。
土星のもう一つのスクエアに当たる射手座4度にしても、水瓶座4度とはセクスタイルの調和的な位置になります。

要するに、自分に必要なもののすべてを相手が持っているという関係性であると言うことが、もしかするとできるのかも知れません。そうすると12という数霊の持つ意味合いに割と近づくと感じられるからです。

また、太陽に対向する度数が土星にとって150度のインコンジャンクトの位置にある、ということの意味も非常に大きいと言えるのではないかと思われます。

インコンジャンクトはすれ違いの度数とも自己訓練の度数とも言われます。まったくすれ違って関わり合わないものと、訓練してそれをものにするということの間には、ベクトルとして相反するものを感じさせますが、まずはスクエアの位置にあるものから反省的内容を受け入れることができるか否か、ということが、その二つの明暗を分けるのだ、ということが言えるのではないでしょうか。

しかしながら、直接的にセミセクスタイルの関係にある度数同士を比較しても、あまり何かが見えてくるようには感じません。やはり12という数字の関連ということで、極めて内省的な形で意識を向けたときにはじめて、活路を見いだせるようなヒントがもたらされるというような関係性であるのかも知れません。

不動と柔軟の4度について、計8つを見ましたが、残りの活動サインの4度についても見てみることで、もしかしたら、何か新しいことが見えてくるかも知れませんので、次は活動サインの4度を4つ読んで見たいと思います。
ちなみに、私の出生図ではちょうど山羊座の4度にリリスがありますので、幸いまったく無関係と言うわけでもありません。

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