小雪 射手座入り

24節気の小雪を迎えました。占星術の星座で言えば今日の昼頃に太陽が射手座に移ったことになります。陰の極まりである冬至までちょうど一ヶ月です。

射手座は火の柔軟のサインですが、わたしの出生図では、ありとあらゆる感受点を表示させても、火の要素にはひとつの感受点も入りません。
ストレートに外に向かっていったり表現したりする部分がまったくなく、そういう性質のものに対しては基本的に批判的な感覚を覚えることが多いです。裏を返せば強いコンプレックスを持っている、ということになります。

周囲の多くの人達が、少なからず持っている要素を自分自身がひとつも持っていないとしたら、それは相当なコンプレックスを感じさせ、生きていく上でのひとつの脅威的なものとして感じられるかも知れません。
とりわけ、火の要素のように生命力に直結したエネルギーとの接点がないという場合は、余計にそのように感じられる部分があるでしょう。

しかしながら、人間というのは自分の弱いところを補完するようにできていますので、生来のバイタリティのなさというものが、様々な形で補われています。それは運動で身体を鍛えることであったり、あらゆる健康法に関心を持って実践する、などのことによって、後天的に補っているということです。

と言っても後天的にすべてのものが補えるという訳でもなく、努力を怠らないようにしなければ、どんどん元の性質の方に引っ張られてしまいますので、結局は一生弱点としてついてまわることになるのでしょう。
ただし、生来持っている性質のように、過剰だったりやり過ぎて失敗をするというようなことは起こりませんので、どちらかと言うとやり過ぎで失敗する嫌いのある火のサインなど持ち合わせなくてよかった、というような気休めを考えることは可能かもしれません。

火の要素がひとつもないといっても、牡羊座や獅子座に正反する星座である天秤座と水瓶座には、それぞれ月と太陽という主要天体が入っています。そうすると、正反するサインを通じて何となくその星座の雰囲気が感じられるように思います。
正反する星座はどこか表裏一体的な緊密なつながりがあるためだろうと思いますが、射手座に関してはその正反する双子座にも感受点がないので、おそらく12星座のうちでもっとも自己同一性を感じることのできない星座であると感じられます。

しかしながら、そのように縁遠く感じるサインに関しては、そのサインに関するテーマが学べない可能性がありますので、少しく考えてみることが必要だと感じました。

冬至を迎えると、人は非常に新鮮な蘇りの気分を感じることができますが、その直前の期間のひたすら陰の極まりに向かっていくこの射手座の時期というものには、積極的な意味を見出すことが極めて難しいというように常々感じていました。
そして、射手座の本質的な部分のひとつには、このあまり意味を見出すことのできない季節的な環境というものに対して、対抗しようという要素があるように思えます。

厳しさを増して行きつつある寂しい冬の環境下において、無理矢理な感じで精神的な豊かさを見出そうと努力するのだと考えると、何となくこの射手座の時期を生きることの意義が感じられるように思います。
正直、毎年この時期は、ひたすら年明けを待つだけの無意味な期間として自分には感じられていましたが、それはおそらく自分の中で、このサインに対する理解が浅かったことに起因していたのかも知れません。

軽薄ないいとこ取りであろうとも、また節操がなかろうとも、ともかく精神的に活気づけ、盛り上がるということが必要な時期であるのかも知れず、そういうことを志向すべき時期なのかも知れません。

自分の生来の性質にはまったくない要素であるだけに、いい意味でのご都合主義で自分というものを活気づけることに努めるということは、確かに必要なことであるのかも知れませんし、射手座には冬の期間を快適に生き延びるためのあらゆる智恵が隠されている、ということができるように思います。

ということで、形振り構わず心を豊かにしてくれるものを、脇目を振らず誇大妄想的に追い求めるという、いい意味でのはしたなさで、気楽に楽天的なあり方を志すことで、自分の持っている生まれながらのウィークポイントの克服につなげられればと思います。

多分、自分の場合は、とりあえずそういう要素が身につけられると、射手座というサインがぐっと身近に感じられるようになるのではないかと感じられます。
こうして考えてみると、つくづく射手座というのは、自分に一番足りない要素のすべてを持っているサインであるように感じられます。とりあえずは表面的な浅いところからでも、サインの要素を取り込んでみる、ということが大切であるように感じます。

先日、現在、木星の年齢域にあることについて書きましたけれども、木星が支配する射手座の要素とこのように無縁であってならない、というようにも感じます。

今日は小雪=射手座入りについて何か書こうと思ったら、自分の最大の欠点を補うためのよいヒントを見出すことにつながったように思えます。

 

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