魚座を考える

今日からは二十四節気で言うところの雨水となり、愈々太陽は魚座へと入りました

季節の中でサインを実感していくことはとても大切なことであると感じます

山羊座以降の本格的な冬の季節には、空気がとても乾燥していました

特に、大寒となって水瓶座に入ってからは、寒風とともに雪が吹き付け、すると大気中の水分もみな凍ってしまいますので、著しい乾燥を覚えるものです

ところが、雨水となり魚座に入ると雪が雨へと変わって来ますし、よしんば雪があったとしても、すでに日差しが強まっているので日の光に雪は解けやすくなっており、かえって水分を補う結果がもたらされます

東日本では、まだまだ寒が厳しいようですけれども、ここ福岡では、ここへ来て空気が俄に湿り気を帯びてきていることが実感されます

春の前兆として身体のむくみや空気に靄が掛かりやすくなることにも、魚座やその支配星である海王星との関連性を強く感じます

魚座は乾ききった地上に生命の土壌となる水分を与えて、春の準備をするのだということが言えそうです

精神活動が盛んな水瓶座の時期には神経の高ぶりがありますけれども、神経の働きというのは不思議と乾いた環境下では研ぎ澄まされ、湿気が強まると朦朧とその感覚が鈍っていくように感じられます

強い寒気は交感神経を強く刺激しますけれども、その寒気が緩みはじめ、加えて空気が湿り気を帯びてくると、副交感神経が働きはじめて精神活動が鈍ってくるように感じられるのです

風のサインというのは、水や火とともにあるのでなければ、物を冷やし、乾かせる働きしか持ち合わせません

クールドライな人というような表現が、知的で神経質なキャラクターを表すというのももっともなことであり、これは風のエレメントとの強い関連性を示していると言えるでしょう

これに反して水のエレメントはウエットですけれども、ウエットな性格というのは反対に情にもろい、すなわち感情機能の発達した人物を表現します

水の活動星座である蟹座は、感情機能で人の世話を積極的に行います

水の不動星座である蠍座は、自らの、または親密な誰かとともに、他人からは伺い知れない感情の奥深く潜んで留まります

水の柔軟星座である魚座は、感情的つながりを特定の誰かではない、すべての存在に感じていますが、その感情というのは物質や肉体という次元からは離れた、そこはかとないものと感じられます

顕在意識ではっきりと確かめられるようなこの世的なものほど、物質的密度は濃厚であるということが言えますけれども、魚座的な非現実感覚のある神秘的な感情の世界というのは、その希薄性に反比例して、霊的密度が非常に濃密であるのだ、ということが言えるでしょう

この世的にしっかりと存在しているものというのは、形に依存しているが故にその寿命は儚く、反対にこの世的には希薄に感じられるようなものほど、霊的には充実した状態にあるとともに、より損なわれがたい存在であるのだ、といことが言えるでしょう

魚座は水の持つ集合的な世界に通じており、そこにはあらゆるものとのつながりが感じられます

しかしながら、そのつながりの感覚は非常に希薄にしか捉えられないものであり、現実的な関係性からは隔たっており、その感情の質は信仰に近いものがあるのではないでしょうか

サビアンシンボルにおいて、各サインの1度はそのサインの持つ潜在的可能性のすべてを表しています

(PISCES 1 °): IN A CROWDED MARKETPLACE FARMERS AND MIDDLEMEN DISPLAY A GREAT VARIETY OF PRODUCTS.
(私訳):ごった返した市場で農夫と卸売人が非常に多くの品々を陳列している。

濃密にすべての存在とつながり合っており、多様な価値の交換が可能です
けれども、そこにある関係性というのは刹那的で希薄なものであるとも言えます

しかしながら、そこで互いに交換されるものが個々の人間が霊的成長の成果として得た、魂の収穫物なのだとすれば、それは霊的な内容物に満ちた生きた魂のエッセンスとして、永遠に交換者の魂に宿るものかも知れません

あまりに多くの者とつながり得る集合的な状態が、ごった返した市場として表現されているのだと感じられます
映画で見る外国の中世の市場の風景のように、得体のしれない幻想的な雰囲気も持ち合わせているようです

この人にとって、他人と感じられるような人は誰もいないのかも知れません
一方でそのうちの誰とも、相互を契約や所有といった概念で語られるような、現実的感覚の強い関係性は結べないのに違いありません

しかし、魂同士がつながっていることが何よりも価値の高いことなのであり、信仰というものは、正しく物質を超えた世界とのつながりであるのに違いありません

これから一か月間、様々な形でこの魚座を感じてみたいと思います

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