7月13日の新月 蟹座21度

だいぶ事後になってしまいましたけれども、一昨日の正午前に蟹座21度で新月が起きていましたので、それについて書いておきたいと思います

蟹座も三分の2以上を過ぎたところですけれども、夏至をそのスタートポイントとする蟹座は、一陽来復して迎える新年に密接に関わる冬至と対をなして、一年のうちでもっとも重要で意味深いシーズンであることを日々実感しています

梅雨とその末期に起こる集中豪雨、それから台風の襲来などによって象徴される風水害というものによって特徴づけられるこの季節といいますのは、非常に蟹座的なイベントとして様々な形でカタルシスが起こるのだと感じられます

神道におきましても、7月2日には糸島の桜井神社(=与止妃宮)において、およそ400年前に激しい雷雨とともに古墳の入り口が開いて示現なされた与止妃大明神=警固三神(八十枉津日神・神直日神・大直日神)に因んだ岩戸開き神事がありましたけれども、禊祓の神がこの風水害シーズンの真っただ中に示現されたということであり、自然の摂理として起こる浄化作用と信仰される心霊とが季節を通じて密接な関連性を持っているのだというようにも感じられました

また、こちらでは今朝も博多祇園山笠のクライマックスである「追い山」が催されたところですけれども、素戔嗚尊は夏越の大祓いにおいて象徴的な茅の輪の元となった神でもありますけれども、本当は疫病ばかりでなく、禊祓というものを根源的に司っている神ではないかと感じています

スサといいますのは、「荒む」とか「凄まじい」といった言葉と密接な関係性があるため、素戔嗚は本来は暴風の神格化であるとの説もあるところです

浄化といいますのは、古いものや悪いものが不要なものとして祓い清められ、そこで新生することができるチャンスに恵まれるということでもあり、再生の機会であるということが言えますが、冬の冬至においては霊や魂の復活があり、夏至においては肉体や自然界などにおける死と再生があるのだ、というように感じられるところです

何れにしましても、自然の力、すなわち再生に要する自然の力が最も旺盛な時期に、災害による浄化作用が起きるということは、その後の再生ということを考えましたときには、あくまでも大局的な視点から見ればですけれども、天の恵みというものがそこにある、といういうようにも感じられるところです

さて、話がだいぶ逸れましたけれども、新月の生じた蟹座21度のサビアン・シンボル(ルディア版)は次のとおりです

(CANCER 21 °): A FAMOUS SINGER IS PROVING HER VIRTUOSITY DURING AN OPERATIC PERFORMANCE.
(私訳):有名な歌手がオペラ公演で自らの妙技を披露する。

21という数霊は、タロットで言えば第21番「世界」であり、そこには成功や全き実現ということが暗示されています

サビアン・シンボルの21度といいますのは、全体的には人生で真に実現したいものや方向性が示されていると感じられることが多いかなと感じられます

この蟹座21度におきましては、自分の最も得意なところで勝負する、という姿勢が表されているように感じられるとことです

蟹座というのは、あまり冒険をせず、必ず成功するようなシチュエーションで勝負に挑むということ、自分の本来性に即した生き方を好んで、その範疇から外へは出たがらないような安全志向なところがあるかも知れません

また、歌手ということから考えれば、やはり自身の心情への共感を求めているわけであり、これは個人レベルにおける同調圧力的な力の期待というものが感じられます

その反面としましては、自分と同調したり親和することのない存在に対する排他性というのも、極めて強い形で発揮されることになると考えられますし、個人的な好悪の感情的価値基準に率直に従った形の生き方をするということになりやすいでしょう

参考までに対抗する山羊座21度は次のとおりです

(CAPRICORN 21 °): A RELAY RACE.
(私訳):リレー競争。

ここでいうリレー競争といいますのは、端的に言いますと権威の継承ということが象徴されているのだと感じられます

社会的組織といいますのは、その中心的存在の権威継承の正当性や組織としての大義名分の引継ぎというものがなければ、たとえ名称や器が同じであったとしても、同一の組織としては世間から認識されないことになります

山羊座は1度において酋長が自らの権威を主張しましたが、その社会組織が持続していくためには、その掲げられた権威というものが正しい形で継承されていくことが鍵となります

この山羊座において示されている社会性というものを考えますと、ある意味では現代の民主主義的なあり方とは根本的に相反する性質を持っている、と考えることもできるのではないかと感じられるところです

何故なら、国家元首も会社組織も、基本的には血統を通じて権威が継承される方法の方が本来的には普遍的と考えられるからです

また、この権威の継承ということは、水平的な軸で考えれば構成員に対する社会的な上から下への同調圧力であるのだ、ということも言い得るのではないか、とも感じられます

蟹座においては、自らの個人的な感情的志向によって、それに同調してくれる人たちだけを相手にして生きることになりますけれども、山羊座においては組織の持つ権威性や大義名分に従う者だけが組織内での存在を許されるということになり、非個人的=非感情的な価値判断の方が優位的となります

この蟹座と山羊座の21度の軸というのは、ある意味ではそれぞれのPRポイントであるかのようにも感じることができようかと思います

わが社は、あの○○を創始者とし、創立何十年といいう歴史を誇ります、というような文句といいますのは、組織が社会に対して自らをPRする際の最も重要なポイントであり、このような正当な系譜としてのリレーのバトンを有しているということによって、組織は自らの正当性の評価を勝ち得ることができます

個人においては、あの歌手があのナンバーを歌うらしい、というような宣伝文句が、歌手が客を引き付けるのになくてはならないものとなるでしょう

組織は自らの正当的価値を示すことができなければ優秀な社員も集まらず存続していくことができませんし、歌手は十八番をもっていなければ固定客であるファンを持つことはできないことになります

この蟹座21度のポイントで生じる新月におきましては、自らが最も得意とする分野において持ち得るPRポイントというのを探してみる、というようなことを考えてみるのも楽しいのではないでしょうか

最近はどちらかというと何でもできるマルチ的な才能が評価されやすい傾向があると感じられますけれども、変わりやすい時流に振り回されてあれもこれもと欲張ってしまうよりは、きちんと取捨選択をして、真に自分らしいPRポイントを見つけた方が、長い人生における自分の本当の宝を持ち得ることになるのではないかと感じられるところです

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

サビアン

前の記事

小暑