”進行図の土星と月のオポジション” と ”進行の月のAsc通過”

最近は現実社会に対して強烈な影響をもたらす天体の配置が続いているところですけれども、今日は個人的な天体の配置としまして、主にプログレスチャートにおける土星と月のオポジションや月のAsc通過などについて考えてみたいと思います

それに先立って現在のわたくしの状況を説明しますと、1月のソーラー・リターン時に冥王星と土星と月とがタイトに合していたことから、世界に強い影響を与えている経過天体の配置の影響を個人的にも強く受けているとことです

冥王星と土星の合

まずはおさらいとして、今年の1月13日に起きた冥王星と土星の合が世界にもたらしている状況について説明しますと、これは土星が表す社会的な規範や秩序というものが、冥王星によって新たに更新される流れの中で、まずは現状の体制に対する強い揺さぶりということが起きているわけです

このことにつきましては、すでに2017年の記事において次のように記していたところです

世界が注目する占星術的な大イベントがてんこ盛りの2020年ですが、やはり最大の影響力を振るうことになりますのは、冥王星と土星の合でありましょうことから、少し歴史を振り返って、過去にはどのような影響があったのかを点検してみたいと思います。

と言いましても、あまり古いと細かい出来事の検証もできませんので、19世紀以降の合に際した時代状況について、日本を中心に見てみたいと思います。

なお、逆行により3回の合がある場合、サビアン的には最後の合の度数が主に影響するものとして考えたいと思います。

①1851年6月及び同年11月、1852年2月(牡羊座29度)
「黒船来航」
1852年11月にペリー艦隊が極東に向けて出港しました。そして翌1853年7月には浦賀に来航し、更に翌年の1954年3月の日米和親条約の締結に至るという流れの起点になりました。明治維新までの所謂幕末と呼ばれる時代の幕開けの切っ掛けとなる、非常にセンセーショナルな出来事でした。

②1883年5月(牡牛座30度)
「鹿鳴館時代」
1883年7月に鹿鳴館が落成し、同年11月に開館の式典が行われました。この年から1887年までの5年間の所謂鹿鳴館時代の幕開けの年となり、日本は欧米列強の中で不平等条約の解消や外国人に対する治外法権の撤廃を課題とし、極端な欧化政策を推進した時代となり、日本が本格的に世界列強の仲間入りに向けたアクションを取り始めた時代と考えればよいでしょうか。

③1914年10月及び11月、1915年5月(蟹座1度)
「第一次世界大戦」
1914年6月に第1次世界大戦が勃発し、同年8月に大日本帝国はドイツに対して宣戦布告を行います。この大戦は1918年まで続き、連合国として参加し戦勝国となった日本は、世界列強の一国としての地位を強固なものとしました。

④1947年8月(獅子座14度)
「日本国憲法発布」
この2年前に日本の降伏により太平洋戦争が終結しましたが、1947年にはGHQの監督の下で、皇室典範や日本国憲法をはじめとする主要な法令が整備され、現在まで続く本格的な戦後レジーム(戦後体制)の幕開けとなりました。

⑤1982年11月(天秤座28度)
「ジャパン・バッシング」
当時のアメリカにおいては、大恐慌時代以来もっとも失業率が落ち込んで相当な不況に喘いでいましたが、その頃から世界を席巻し始めた日本の自動車産業や電子機器産業が目の敵にされるとともに、日本への大幅な貿易赤字が大きく問題視され、過激なジャパン・バッシングがその後数年間にわたり繰り広げられました。
一方で、日本が経済大国としての地位を世界の中で確立した時期であったとも言えるのではないでしょうか。

 

大体、以上のような感じですが、このように、世界的な政治及び経済的な枠組みが大きくシフトする起点となっているのが、35年にプラスマイナス2、3年の周期で起きる冥王星と土星のコンジャンクションであり、その影響は明確に見て取ることができるのではないかと思われます。

世界レベルで政治的・経済的な覇権の移動が起こるのだと考えますと、今後は中国とインドの位置づけがどうなるのか、ということに大いに関心が持たれるところです。

2020年1月には山羊座23度において、38年降りのこの配置となる訳ですけれども、間違いなく言えますのは、この時点において70年以上続くことになる戦後体制が完全に改まるであろうということです。

また、そのことに関連して、あと数日後に起こる土星の山羊座イングレス、そして一年後の木星の山羊座イングレス、2年後以降に山羊座において起こる冥王星との土星・木星それぞれの合などが、冥王星と土星の合に合わせて着実に下準備を進めていくことになるだろうことは間違いないものと感じられます。

(参照:「冥王星と土星の合に見る外圧の影響」より)

今回の冥王星と土星の合と言いますのは、年末に控えたグレートコンジャンクションがあらたに本格的に風のエレメントにて起こる次の200年間の幕開けという節目の前に起こるものであることから、過去200年間に培われてきたものの精算という意味合いが含まれているものであると考えているところですけれども、こうした冥王星と土星の合が、ソーラー・リターン時の天体配置によってわたしの場合は個人的にも色濃い影響を受けている訳であり、冥王星の与えた衝撃によってわたしの中の土星的要素も一時的に大きく失調することとなりました

具体的に申しますと、土星というのは物事を律して秩序をあらしめる働きをしますので、それが失調しますと、心身の著しい不調和ということが顕在化することとなり、わたしの体調はその少し前辺りから二ヶ月以上にわたって著しい不調に悩まされているところです

今回の病状であるひどい中耳炎はルドルフ・シュタイナーによれば「耳管の中でエーテル体が肥大することが真の原因である」とのことであり、全身症状としてもむくみやかぶれ、ひどい湿疹などの、東洋医学で言うところの水邪・水毒症状が非常に強く表れているのは、やはりエーテル体の肥大ということが関係しているのではないかと考えています

月はエーテル体との強い照応性を持ち、身体的な成長や生理的リズムなどに深く関係しています

そうした個的・身体的な側面の育成的エネルギ-に対して、土星は削ぎ落として形を整えようとする彫塑的な作用を発揮することになります

土星が支配星となる山羊座の代表的な象意のひとつはご存じのように皮膚ですけれども、月と土星の関係というのは柔らかい内臓を固い表皮が包み込んでいるような関係性にあります

土星というのは乾かして硬化させる作用を持ちますけれども、ソーラー・リターン時に経過の月と土星は冥王星と共に合していましたし、出生月に対してもそれはタイトにスクエアを形成していたので、私の月の要素としてのエーテル体が肥大して東洋医学で言うところの水毒の症状が強く顕れたのは、土星と月のバランスが一時的に大きく崩されたことがその原因となるものではないかと感じているところです

このように、冥王星のインパクトが私の中の土星と月の要素に強く及んでいるわけですけれども、プログレス・チャートにおいても、本日土星と月のオポジションを迎えることとなっており、これを土星の全体を律して秩序を整える作用の復調に役立てていくということがわたしの現在の課題となっているところです

進行の土星と月とのオポジション

プログレスの中で唯一速やかな移動をする月がその他の天体と関係性を持つ瞬間というのは、経過の天体においても同様の刺激がある場合には、かなり重要視されて然るべきものとなります

特に今回のようなプログレスの月と土星が正確にオポジションを形成する瞬間というのは、非常に意味のある配置となりやすいでしょう

それは、月は蟹座の支配星であり、土星は山羊座の支配星であることから、蟹座と山羊座というそもそも対向的な性質をそれぞれの支配星である双方も持っていると考えられるからです

互いに向き合っているサイン同士は、同じ課題を共有しながらも正反対の方向性からのアプローチを試みようと指向するのだとわたしは考えており、満月を読む際などには太陽と月の度数によって結ばれる軸の意味合いを読むということを基本的なスタンスとしています

そして対向するサインや度数というのは、反発しやすい側面を持ちながらも相互に補完し合うことで、軸が有する共通の課題を成就する力をはじめて得ることができるのだと考えています

土星と月というのはそもそも相互補完的な要素を互いに持つ緊密な関係性にあると考えられますので、これらのオポジションがプログレス・チャートに顕れる時というのは、双方の反発しやすい対立的な関係性を克服して、相互に補完し合うように仕向けていくことを心掛けるべきでしょう

月は個としての内的な生活を、土星は一般的には社会規範的に自己を律することを表しますので、通常はこれらの要素は反発しやすい相反的な内容を持っているとも言える訳ですけれども、対立を克服して個の内的生活と社会活動とが相互に補完し合って両立されていることは、極めて理想的な在り方であると言えるでしょう

わたしの場合は既に早めに社会をリタイアしてしまっていますので、現在のわたしにとっての土星的要素というのは、社会や組織の規範に則って生きることではなく、自分自身を律する力の完成度を高めるという点にあります

わたしは長いことサラリーマンとして社会生活を営んでいましたので、自営業を営まれている方のように、自分を自分自身で律することで生活を営んでいくという生活パターンの経験はまったくありません

わたしが脱サラをしてしばらくの間は、社会生活をしていた時に刷り込まれていた規範意識が習慣上に根付いていましたので、日々の生活のリズムはさほど崩れることがなかったのですけれども、二年以上経つうちに次第にその影響が薄れてきて生活を方向付けるものがなくなってきて惰性的になってきており、自らを律して生活を営むことの必要性を非常に強く感じてきているところです

 

それではこの牡羊座29度にある土星と天秤座29度にある月のサビアンシンボルに目を向けてみましょう

(ARIES 29 °): THE MUSIC OF THE SPHERES.
(私訳):宇宙が奏でる音楽

(LIBRA 29 °): MANKIND’S VAST AND ENDURING EFFORT TO REACH FOR KNOWLEDGE TRANSFERABLE FROM GENERATION TO GENERATION.
(私訳):世代から世代に受け継ぐことのできる知に到達しようとする人類の多大で永久的な努力

最初の牡羊座29度においては、自己存在というものが、魂の本源である宇宙と同質のものとして、天球の奏でる音楽に共鳴して鳴り響いています

自己というのはその本質部分において、地球的なのではなくまったく宇宙的な存在なのだということは決して忘れてはならない大切なことです

肉体本位に考えれば我々は地球上で生まれたと考えがちですけれども、それは近代に推し進められた唯物的思考に基づいた誤った考え方に過ぎません

我々の本質は宇宙的なものに根ざしているのであり、自己というものは霊的・魂的な本我がそのまま投影されたものでなければなりません

一方の天秤座29度においては、人類が調和的に共同して紡ぎ出すあらゆる価値ある文化的なものが示唆されています

文化というものは個的に紡ぎ出されるものではなく、人類による共同的な作業の結果として生まれてくるものです

天秤座は他者や環境との関係性に生きようとしますけれども、それが結果的には壮大な織物が紡がれていくことにつながっているのです

この両者の相互補完的な関係性というのは、個的存在というものが全体の荘厳さのために活かされるということになる訳ですけれども、自己というものが全体の中のピースとして埋もれてしまってはならないということを同時的に示します

存在の価値として個と全体とは等価値でなければなりません

何故ならひとつのピースが欠ければ全体性も同時に損なわれてしまうからであり、傷や賭けのある装飾品は最早完全性から離れてしまいます

我々人類は、個々が唯一的な掛け替えのない存在として生きながら、同時的に全体性の繁栄のために生きるべきであるのだ、ということになります

それは個々が宇宙との本源的つながりを持っている時にだけ、地球上において永遠的なる美と調和を保った文化が生まれるのだ、ということをこの牡羊座と天秤座の29度の軸が表しているということになります

天秤座29度の月というのは、自己本位的ではなく他者本位的な生き方を志向します

わたしの出生月も天秤座にありますので、わたしの内的自己は他者や環境への過剰適応を起こしやすい側面を持っているということができます

牡羊座29度の土星は、対向する天秤座29度の月に対して、まずは自分自身の本源に根ざし、本来的な輝きを損ねないようにと強く働きかけることになるでしょう

牡羊座の自己が宝石の原石的なものであるとすれば、天秤座の自己というのはカットされ磨かれて宝飾品にはめ込まれた宝石であるということができるでしょう

天秤座の自己が自己の本源的性質を忘れ、他者本位に生きようとすれば、一見立派そうに見える装飾品の一部であるようでいて、実質的にはまがい物の宝石としての価値しか持たないことになります

一方で、他者や環境との関係性をまったく度外視している牡羊座は、世の中に見出されないまま埋もれている原石のままに留まってしまうことになるでしょう

 

続きまして、先月のはじめ頃に進行の月が出生のAscを通過するということもありましたので、ついでに書いてみたいと思います

進行の月が出生のAscを通過するタイミングとは

進行の月というのは、個人を取り巻く心理的な雰囲気というものに対して、大変色濃い影響をもたらしているということを普段から強く感じているところです

そうしたことから、心理的な側面における人生の転機というものと進行の月の動向とは密接に相関してくることとなる、ということが言えるでしょう

このAscというのは自己意識が発生するポイントであり、自己という存在意識が芽生えてそこから発展していくスタートポイントとなります

その時点においてはただ自己という存在に対する先天的・本能的な認識だけがあり、その後様々なサインを経過していく過程において自己というものがまず身体的に認識され、続いて知的に認識され、更に家族的共同体の中における自分というものが認識され、さらには自己というものが対外的に創造的に表現され、やがて機能化していきながら、徐々に社会と共存する形での自己というものが形成されていくことになろうかと思います

この自己意識の出発点においては、自分というものが存在として強く意識され、そこに強いフォーカスが当てられることによって、自己意識というものが強く賦活(エナジャイズ)されることになるでしょう

心理的な側面においてこのような時期は、人生における極めて重要な時期となることは間違いないでしょうし、このポイントにおいて自分の本質に深く根ざした自己に回帰することができれば、その後の人生展開を大きく活気づけることになるのではないかと感じられるところです

この配置が起きた瞬間である2月3日というのは、体調が最も酷かった時期に相当するため、わたしはこのタイミングを意識することなく経過してしまったのですけれども、このポイントではきわめて無意識的な側面が刺激されるわけですから、かえって意識されないままに経過した方がよかったのだろうというように感じているところです

これは月の朔望などの普段の天体イベントについても言えることですけれども、その瞬間のタイミングを変に意識して捉えようとすると、かえって天からの恩恵を逃す結果につながりやすいだろう、というようなことをわたしは意識しているところです

結びとして

わたしの進行の月はまもなく、あと一ヶ月後に2年あまり滞在していた出生月のある天秤座を離れます

進行の月が天秤座にある間は、その間に進行月のリターンも迎えたわけであり、非常にのんびりと寛げる時間を過ごせていました

Ascの通過とともに、進行の月が次の蠍座へ移ることはわたしにとっての気分上のひとつの転機となるでしょう

また、それに先だちまして、進行の太陽も来週には魚座の最後の度数である30度に至り、いよいよ一年後には牡羊座にイングレスすることになりますけれども、牡羊座というのはすべての物事の新しい始まりを予感させるものです

現在、世の中が非常に大きな転機を迎えているように、このようにわたし個人にも大きな転機が迫ってきている訳です

そうした転機に先立って、諸々の試練にも見舞われている訳ですけれども、それらを乗り切った暁には素晴らしい人生の展望が開けてくるのでしょうし、世の中もまた、現在は試練を受けているのであり、それを無事に乗り越えればまたあらたな素晴らしい未来が拓かれることになるのだと信じます

”進行図の土星と月のオポジション” と ”進行の月のAsc通過”” に対して2件のコメントがあります。

  1. グリコーゲン より:

    すみません。仮想通貨についてお聞きしたいのですが、以前の記事で仮想通貨は今後発展していくとの事でしたが、今回のコロナショックによって仮想通貨も同様に大きく下げてしまいました。スピリチュアル界隈では経済崩壊が起きると言われており実際に起き始めた感がありますが、仮想通貨は崩壊には含まれていないのでしょうか?

    1. duct より:

      グリコーゲンさん こんにちは

      ブログを拝読していただきありがとうございます

      スピリチュアル界隈というのがどのような集団の実態に関するものなのかよく分かりませんけれども、経済崩壊というものがどういった定義づけのものであるのか今ひとつハッキリせず曖昧です

      我々人類は何れにしても経済活動を伴わずに存続していくことはできませんので、経済システムの変質ということであれば分かりますけれども、単純に経済が崩壊するというのであれば、それは人類が崩壊すると言っているのに等しいようなことになります

      あまり抽象的で曖昧な文言に振り回されるのは良くないのでは無いでしょうか

      経済の信用収縮と通貨に対する信用収縮というものも、強く連動はしているものの同一的に語られるべき性質のものではないでしょう

      コロナショックで仮想通貨も同様に大きく下げたという点については、そうとも言える部分がありますけれども、必ずしもそのようになっている訳ではないと感じています

      ビットコインは対円では確かに株価の下げと同調して下げた印象がありますけれども、それは主には株で生じた損失を現金で補填する為の動きでしょう

      一方対ドルでは急激にドル需要が増大した局面以前にはさほど明確には株価と連動した下げはしていないようにも見受けられます

      是非ご自身で様々なチャートを確認してお金の流れを検証してみて下さい

      仮想通貨の崩壊があるかとのことですけれども、経済が収縮するのであれば通貨の流通量自体も収縮するのが当然の流れとなります

      わたしが言っていたのは基軸通貨であるドルの信用が今後どうなり、それに取って代わる物が何になるのかという論点のものであり、仮想通貨の値段が上がるとか下がるとかいう、そういった相対的な価値に関することではなく、通貨としての絶対的価値として、今後どのように見直されていくか、ということを焦点に考えています

      今回のリセッションは間違いなくそれらに関する大きなターニングポイントとなるでしょう

      今のところ仮想通貨は私利私欲に充ちた汚いお金によって汚染されています

      仮想通貨を投機の手段として考える人々が徹底的に痛い目を見て駆逐されるまではそうした流れは続く可能性があるでしょう

      しかし、そうしたことと仮想通貨の存在価値とは、まったく無関係なのだという理解が必要となるでしょう

      コメント欄ですのでこの辺にしておきますけれども、仮想通貨に関しては記事において今後も触れることがあるかも知れませんので、引き続きご拝読いただければ幸いです

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