健康に関しては、人一倍の関心を持って、様々な本を読んでは実践を重ねてきました。
そうした中で、現時点において、少なくとも自分にとって最適に近いと考えられる知恵やスキルについて書き記しておきます。

まず、健康法についてですが、自分は健康オタク的なところがあり、これまで非常に多くの健康法に取り組んできました。手軽なものを含めれば試してきたことは軽く百数十種類に及ぶでしょう。一々は自分でも憶えていないくらいですが、日々の生活の中で実践しやすくて効果の高いものだけが淘汰されて現在も継続されています。

健康と一言にいっても、人間には肉体と心があります。心身一如と古くから言われる如く、この二つは切っても切り離すことができない関係にあります。
非常に細かい日々変動するような変化であれば、気候や外傷、疲労などの肉体的原因に基づくものが多いですが、中長期的な傾向として出てくる体調の不良は、その主因はほとんど心の問題であると言っていいでしょう。

では、心理学的なアプローチが最も有効なのか、というと、必ずしもそういうことではありません。何故なら人が自分をコントロールする場合に、コントロールする対象が精神面であるにしても、そこに直接的にアクセスするより、精神面の不安定さがもたらしている肉体上の不具合を調整することから始めることが手順としては正しいということができます。

座禅でよく言われる「身息意」、「調身・調息・調心」の言葉は、人間が本来の自然な在り方に立ち返るための正しい道のりを表しています。(身体→呼吸→心)という順番で自分自身を整えるべきであるということです。
心理的な問題の解消が、いっぺんにすべての状態を良好に戻してしまうようなことも、事例的にはあり得るのだと思いますが、それはあくまでも例外的なパターンであり、確実に成果を求めようと思えば、必ず正しい手順に従わなくてはなりません。奇跡を求めて無理なことに挑み続けるより、日々着実な一歩という心掛けがなければ、何事も成し遂げることは適いません。

自分が色々な健康法を試してみて成果があったケースを振り返ってみますと、数年掛けてでも確実に成果を得ようというように真剣な意識で取り組んだ場合には、その効果は意外に早期に実感できますが、拙速に手軽に成果を求めて何かをはじめても、そうしたことが身になると言うことはほとんどないと言ってよいだろうと思います。

人生は長いですから、気長に、しかし真剣に物事に取り組む意識を持つべきでしょう。また、そうしてこそはじめて本物の功というものが得られるのだと言えると思います。

さて、それでは実際にどんなことが実際に効果的なのかと言いますと、実は特定の方法にはあまり拘らなくてもいいのです。それはどういうことかと言いますと、人間を本来の自然な状態である健康に至らせるものは「心身をリラックスさせる」ということに尽きるからです。

そして、リラックスさせる方法というのは、その人の体質毎に異なる部分があります。ある人はじっと休んで動かないことで心身のバランスを最も効果的に回復しますし、またある人の場合は激しく身体を動かすことでそれが得られ、またまた別のある人にとってはそれがおしゃべりであったり歌を歌うことであったりするでしょう。
要するに、自分の体質に合ったリラックス法を如何に多く見つけて、それを日々の生活の中で実践し継続するか、ということになろうかと思います。
自分の性質に合わないことというのは、大抵は続かないものです。効果が確かに実感できるのであれば、人は積極的にそれに取り組むものですから、色々試して気に入ったものを見つけることが大切なのではないでしょうか。

こうしたことを申し上げたのは、人は様々な情報に惑わされて間違った固定観念を持ってしまうということがあるからです。世間に流布されて効果があるとされているものも、その多くは、その人の体質には合わないものである場合が多いのだということを意識していることがとても大切なのではないかと思います。

「健康」というのは、自分にとっての自然な本来的な在り方とイコールな訳ですから、自分を知るということが、実は健康を得るための最良の近道である、ということが言えます。

現代人の多くが、その心身を不健全な状態に置いていることの主因は実に簡単なことであり、自己の本質に無関心で自己の外在的な価値を高めることにばかり奔走して己をなくしているからに他なりません。そうして本来的な健全な在り方から遠ざかっているだけなのです。

こう考えてきますと、人間の健康ということを論じるということは、実に広大な範囲の事象を対象にしなければならないことが分かります。人間が本来的な健全な状態に至るためには、肉体を知り、自然を知り、精神を知り、宇宙を知らなければなりません。

ですから無責任のようですが、ご自分で様々なことをお試しになって、自分を知るということからはじめていただくことが必要になります。あなたご自身のことは、ご本人にしか分からないのですから仕方がありません。
また、そのように自分自身に対する責任意識というものを持たずに、他者が施す手軽な方法でつかの間の平衡状態=表面的な健康を得たいということであれば、そうしたサービスを提供される方々のお世話になるのが一番ではないかと思います。

しかし、ひとつ助言として申し上げることができるのは、健康になるためにお金は決して必要ない、ということです。リラックスというのは購入すべき性質のものではありません。最近はスピリチュアルやヘルシーというものがすっかり商業化されてしまっており、人々はそうしたものを対象とした消費行動に駆り立てられています。
言っておかなければならないのは、消費行動の一環として満足を得るような行動パターンを脱しない限りは、あなたに本当の健康は訪れません。消費行動そのものを否定するつもりは毛頭ありませんが、何かを得たことで満足し安心するということは、人間の本来的な在り方から遠ざかる方向にしかないということを憶えておくことが必要です。

人間が本来的な在り方に接近するための方法というのは、反対に捨てるということにしかないと考えるべきでしょう。健康とは、自分にとって余計なものをどれだけ捨てられるかに係っている、といっても過言ではありません。
極論を言えば家庭に問題があるのであれば家庭を捨てれば済むわけですし、職場に問題があるのであれば職場を、人間関係に問題があるのであればその人間関係を切り捨ててしまえばいいわけです。

もちろん、今申し上げたことは極論です。しかし、そうすることもできるのだということを頭の片隅に置いておくことは大切です。何故なら、切り離すことができる物事をそうしないでいるのは、自分がその状況を利用し、かつ依存している部分があるからだという事実を客観的に観察することができるからです。そのことは、起きている問題に対する適切なアプローチについて思いを巡らせるための余裕を生むことになるでしょう。

すっかり長くなってしまいましたが、書いてみて、人間にとっての健康というテーマが、実に遠大なものであることにあらためて気づかされました。
月並みな健康論を書いてもいいのでしょうが、それには意味がないと今の自分には思えたので、以上のようなことでご勘弁いただければと思います。細かいことはブログの方でその都度発信していけたらと思います。