夏風邪と冷房風邪への対処 ~暑中お見舞い~
暑中お見舞い申し上げます
23日に二十四節気の大暑を迎え、いよいよ獅子座の季節となりましたけれども、皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか
わたしは自分の不注意から夏風邪を引いてしまったところです
夏風邪といいますと、冬に引く風邪とは違って熱もはっきりとは出にくく、微熱が続いて治りづらいことや、喉などよりお腹に来るようなところが特徴でしょうか
夏と冬の身体の違い
太陽は先月下旬の夏至(蟹座イングレス)の時に最高高度に達した訳ですけれども、地球の大気が蓄熱するまでに大体1ヶ月程度の時間が必要で誤差が生じて来ますので、この大暑(獅子座イングレス)の頃に最も暑くなって来るということになります
暑い季節には身体が副交感神経が優位になって、放熱により身体を冷ます方向にシフトしますけれども、積極的な放熱のためには毛穴などが開いたり体表近くの毛細血管なども拡張していたりしています
放熱しやすい状態と言いますのは、逆に冷やした場合にも体が冷えやすいということが同時に言えますので、夏というのは実は身体が冷えやすい時期でもあり、注意が必要な時期となります
冬の場合は反対に交感神経が優位となって、毛穴や毛細血管なども収縮して体内の熱を逃がさず、外からの冷えが入らないようにシフトしています
1年を通じて人間の血液量が一定であるとすれば、夏場は体表付近で毛細血管が拡張していたりして、血液が外側に集まる分、内臓の血液が相対的に少なくなりますので、特にお腹が冷えやすくなるところもあります
また、冬には熱を逃がさない態勢をとっていることから発熱をすることが容易であり、冬風邪の時は思い切り発熱して一気に風邪を惹き起こす菌やウイルスを退治することができるのと比べまして、夏場は身体の中が冷えやすく熱を外に逃がしやすいことから、高温で発熱することが難しくなって来ます
これらのことから、夏風邪というのは低い微熱がいつまでも続き、お腹の調子がいつまでも治らないようなことになり勝ちです
冬の時期には、死に関わるほどの高熱を発したような時を除けば、ひたすら身体を温めることだけに専念していればいいのですけれども、暑い夏場に風邪を引くという場合には、身体の外側では盛んに放熱しながら、内側では病原菌と戦うために発熱をしなければならないということになります
そうしますと、1つの建物の中で全体は冷房で冷やしながら、ある部屋では一生懸命に暖房を焚いて温めようというように、非常に効率の悪いことをしなければならなくなりますので、エネルギー効率としてはとても悪いものになるでしょう
また、副交感神経と交感神経のバランスにおいて、アクセルとブレーキとを同時に踏まなければならないようなことになりますので、自律神経が混乱するとともに疲弊して乱れてくることになるのではないかと考えられます
そこまで分かった上で、夏風邪への対処法を考えようと思ったのですけれども、なるべく温かい消化によいものを食べて安静に過ごすというような、月並みな消極的な方法しか思いつきませんでした
夏風邪への対処法
このような時にわたしがいつも頼りにするのは、整体の始祖的存在である天才野口晴哉氏の不朽の名著「風邪の効用」です
書中の「夏の風邪」の項に目を通しますと、わたしが今回風邪を引いた理由も記してありました
『・・・冬は窓を開けて眠ることはよいが、夏はいけない。涼しいのはよいが、風を直接肌に当てるのは起きている間だけで、眠ってからはいけない。・・・』
この数日の間、福岡では夜になると気温がかなり低くなることが多かったので、電気代が高騰の折りでもあり冷房を切って、窓を開け放って寝たのですけれども、風がそこそこ強かったので寝室の自分の身体に直に外の風が当たって身体を冷やしてしまったのが原因のようでした
続きまして肝心な対処法につきましては次のように書いてありました
『汗に対する風の注意が行き届かないためか、こういう夏の急性病の大部分は、後頭部を蒸しタオルで四十分温めると汗が急に出、症状が一遍にとれてしまうことが多い。汗を引っ込ませると、下痢、風邪、神経痛に化ける。・・・』
そこで早速、濡れタオルをレンジで温めて蒸しタオルを作り、冷める毎にレンジで温め直して40分程後頭部を温めますと、だいぶスッキリして体調がよくなりました
後頭部を温める理由につきましては、別の項のところに少し詳しく書いてあり、「ここには体温の調節中枢があるから」、ということであり、わたしは最初、おそらくは自律神経系の要である脳幹部分を温めて、その機能回復を図るということなのだと思い、後頭部というよりはその少し下の頭と首の境目の辺りを中心に蒸しタオルを当てればよいのではないかと思ったのですけれども、そうではなく温めるのは後頭部ということです
また、タオルは冷めないようにビニールに入れたりすると効果がなく、一本のタオルを繰り返し取り替えながらやることで効果があるとされており、誰かに絞ってもらうのではなく、『一人で絞っては当て、絞っては当てするぐらいがよい。そうすることでその効果が現れてくる。』とあり、湯たんぽなどでも逆効果となってしまうそうです
そして『もちろん温めた後、乾いたタオルでよく拭くことが大切です。』とありますのでお忘れのないようにお願いいたします
夏場の注意
夏場に体調を崩さないための要点としましては、「動いて汗をかくこと」、「背に涼風を長く受けないこと」、「湯上がりの汗を扇風機で乾かさないこと」、「特に汗をかいた赤ちゃんを風通しのよい場所に寝かせないこと」、「クーラーの風を直接体に受けぬことが特に必要」、「汗は拭くこと、これが第一」、などが記されています
本来は、九月の終わり頃の昼間はまだ暑いけれども吹く風は冷たいといった時に、上のような注意が必要となるとのことですけれども、最近は梅雨の戻りのような気候になったりしましたし、冷房の多用ということがありますので、とにかく出た汗を冷たい風で引っ込ませるようなことをすると、様々な体調不良を惹き起こしてしまうということのようですので、くれぐれもお気をつけ下さい
以上は、次の書籍を参考にして書いております
最近は鉄筋のマンションなどに住むケースが増えていますけれども、木造の家であれば外が涼しくなれば家の中もすぐに涼しくなるのと比べまして、コンクリートが蓄熱していて、夜23度くらいまで下がっても、窓を閉めていると室内の気温は全然下がらず、湿度も高いので仕方なく冷房をつけたまま寝るということになりますけれども、そのような不自然な環境下では体の機能がどんどん狂って来てしまいます
熱中症などにつきましては、日中の日盛りを避けて涼しいときに体を動かして汗をかくことで、体の放熱機能を高めておくということが、もっとも肝心な心掛けになるでしょう
テレビなどでは暑さを避けて冷房をつけるようにと消極的な方法ばかりを喧伝するのですけれども、急性症状が出ている時には勿論そうしたことが必要な措置である訳ですけれども、実際にそのように室内で冷房をつけて安静にばかりしているよりは、涼しい時を選んで少し汗ばむくらいに散歩をしたりする方が、体の深部の熱が放熱されるので身体が楽になって元気が出て来ます
既に体調を崩しているとか体力が著しく低下している場合を除けば、夏場はとにかく汗をかいて放熱機能を積極的に高めておくことが一番大切なことと考えられますけれども、年齢や体力に応じてそれぞれ時間帯や運動強度などは加減する必要があるでしょう
さて、既に世界ではコロナはただの風邪とみなされてコロナ禍というのはとっくに終わっている訳ですけれども、この日本では相変わらずのガラパゴス状態で取り残されており、真夏になっても感染予防効果のないマスクを皆がしているという異様な光景が続いていますけれども、そうしたところを見ますと政治とカルトとの結びつき以前の事としまして、一億総勢が洗脳されやすいカルト体質であるように感じられる事の方が、より大きな問題を含んでいるのではないかというようにも感じられるところです
人間が生きていく上で注意を払っていなければいけない事柄というのは非常にたくさんあり、病気に限ってもその種類というのは非常にたくさんある訳ですけれども、様々な危険因子の中の特定のひとつだけに対してずっと対策を講じているというのは、少し大局的なところから考えれば、それ以外のあらゆる危険因子に対しては無防備な状態を維持し続けるということにしかなりませんし、予防接種というのもそれなりに身体に負担が強いられる筈のものであり、身体の免疫リソースを特定の一種類の病原に対してだけ持続的に集中して振り向けることが、どのような結果を招くかということにつきましては、よくよく考えなければならないところがあるのではないでしょうか
それでは、甚だ短く不十分な内容ではございましたけれども、本日は暑中見舞いということで、皆様それぞれご自愛いただきまして、ご無事に夏を乗り切られますことをお祈りしたいと思います