マーズ・リターン2

明日起こる自分のマーズ・リターンについて一昨日書きましたが、リターンを迎える前に、サビアン度数についてもう少し掘り下げて考えてみたいと思いました。

火星は2年弱の周期で公転していますので、一年後には180度反対の位置に来ることになります。
コンジャクションにおいては無意識裏からの働きかけがあるのに対して、正反する度数においては顕在意識上で意識化がなされるというようなことに昨日触れましたので、一年後にオポジションの位置に経過の火星が来ることも想定に含めて、全体としてどのようなことが読み取れるのか、ということを考えてみることも大切だと感じました。

来年の2018年12月29日に経過の火星が乙女座28度の正反対の魚座の28度に来るのですが、その際に進行太陽の度数も一致することになると気づいたので、俄然関心が高まったということもあります。

(PISCES 28 °): A FERTILE GARDEN UNDER THE FULL MOON REVEALS A VARIETY OF FULL-GROWN VEGETABLES.
(私訳):よく熟れた種々の野菜が、満月の光によって照らし出されている、豊穣な庭の畑。

28度というのは、この30度の中での最も完成度が高まる数字であると感じています。魚座の28度については祝福の至りといった雰囲気を感じさせもしますが、あまりにも到達しすぎていてもうその先はないような一抹の寂しさのようなものも感じさせます。やはり12星座の最後のサインということがあるのでしょう。一方で乙女座の28度では物騒さを醸し出すほどに極限的に高まった個人の能力というものが示されていました。
先月記事に書いていたのでそこから下に抜粋します。
(https://harvest-moon.net/2017/09/18/virg28/)

(VIRGO 28 °): A BALDHEADED MAN WHO HAS SEIZED POWER. (AN ASTROLOGICAL MANDALA by Dane Rudhyar)
私訳:力を掌握したスキンヘッドの男。

乙女座は個人がスキルの獲得に専念するサインです。地の柔軟のサインですので、現実的な様々な能力の獲得に通じています。
支配星が水星であることから、知識や技能を実生活や社会生活の中で応用できるレベルで身につけ、社会の中において職能的な意味合いで個性を確立します。

28度は30度あるサインの終わり近くの度数になりますが、29度では既に中身が完成されてしまい関心は次のサインに移りますので、この28度はそのサインが持つものが最高度に高められた形で表されます。

力を掌握したスキンヘッドの男は、ありとあらゆる物事に対応することができるでしょう。その機能性は、些か驚異を感じさせる程に完成されています。

自然の働きの中では、それは木々がもたらす実りに例えることができるでしょう。同じように、人においては完成されたスキルが努力や研鑽の成果としてもたらされるのです。

やはり極めて共通の要素をこの正反するサビアン度数が持っていることがわかります。魚座の28度で示されている限りない豊穣さは、乙女座28度のスキンヘッドの男がその持てる高度な個的能力によって達成されたものであるでしょう。
もちろん、一個人による業績ということではなく、乙女座で示される個々の個的能力の成果が、魚座的に集合されて豊穣な庭の畑として描かれているもので、種々の野菜というのはそのような意味合いかと思います。

正反する度数というのは、言わば目的と手段の関係であり、因と果であるとも言えるでしょう。正反する度数が示しているターゲットに到達するための手段を元の度数が持っており、ターゲットが定まったときに最適な手段というのは既に定まっているということになります。

一年後の進行の太陽の度数をターゲットにして、火星が新たに燃料を補給されるのが明日のサターン・リターンということになりますので、今回のサターン・リターンは自分にとって少々特殊なものであると考えても良さそうです。

さて、こう考えてきますと、更にスクエアの位置にある度数についても気になってくることです。
スクエアは当然、手段と目的の双方に対してある種妨害的な働きをしてくるものと考えられるからです。

(SAGITTARIUS 28 °): AN OLD BRIDGE OVER A BEAUTIFUL STREAM IS STILL IN CONSTANT USE.
(私訳):いまでも日常の用に供されている、美しい流れの上に架かる古い橋。

(GEMINI 28 °): THROUGH BANKRUPTCY, SOCIETY GIVES TO AN OVERBURDENED INDIVIDUAL THE OPPORTUNITY TO BEGIN AGAIN.
(私訳):自己破産を認めることによって、社会は負債を追った個人にやり直しの機会を与える。

一読して、この二つのスクエアの度数が、先に見た二つと正反対の内容を示していることが分かります。それは挫折感がまず最初にクローズアップされているということです。
射手座28度では、とっくに用済みとなって然るべき存在が、そのまま存在を許されている姿です。そこには本来の成り行きに反して特別に許された特赦的な精神が示されています。一方で双子座28度においても、一度破綻した者にやり直しの機会を与えるということで、やはり似通った性質のものが示されています。

では、この二つのものが、先のふたつのものにどのように関与するのでしょうか。

まず、乙女座は地の柔軟、魚座は水の柔軟、そして、射手座は火の柔軟、双子座は風の柔軟のサインです。
地と水は受動性、火と風は能動性を表しますので、地と水の28度、火と風の28度は、それぞれ似通った対になっているものと考えられます。
一方で、受動的な地と水に対する能動的な火と風は、基本的な性質が異なり、そこに陰陽の対立的な要素を持ちます。対立的といっても男女と同じように、普段は対立して性質の似通ったもの同士で行動していますけれども、結局は深く結びつくのは陰と陽の関係性の方です。
陰と陽が交わるということは、それぞれが独自の性質に対する防衛的な殻を捨て去って、相反するものと互いに結び合うと言うことになりますので、そこには超えるべき壁があるとともに、己を変質させる際の一種のショックを経験しなければなりません。けれども本当になくてならないパートナーというのは性質を異にするもの同士であるということなのです。

いずれにせよ火と水と風と地という四大の要素のすべてが関わらなければ、真に価値あるものの創造はなされないということになりますので、何れの度数をターゲットとし手段とするにせよ、スクエアに位置する相反する性質の要素の助けを借りることは不可欠となってくるということではないかと思われます。

乙女座と魚座の28度では、それぞれがサインの円熟味を感じさせる達成点でしたが、火と風においてはそれらの中継地点的な内容として捉えたり、あるいは中和させる働きを持つ内容として捉えられるのではないかと感じます。

乙女座の28度はどこかしら緊張感を感じさせる尖ったところを感じますし、魚座のそれはむしろ反対に極度の弛緩・脱力状態を表すといってよいかも知れませんが、射手座の28度は乙女座の実利的で機能性を重んじる神経質な雰囲気に対して中和的な老賢者的な雰囲気のイメージを持ちますし、双子座は魚座のしまりの無さに対して躍動的なアクセントを与えてくれる感じがします。
スクエアというのは妨害や邪魔という捉え方をするのが一般的ですけれども、ある意味では一旦休憩を与えたり、熱し過ぎた状態を冷まして、冷静に目標に対して客観的になれる機会を作り出します。そのようにスクエアに位置する正反する内容に触れることで、かえって元のものの持続性が確保されると考えればよいのだろうと思います。

我ながら纏まりの悪い文章で、考察はまったく不十分なところが多くありますが、自分の中では理解が進んだように思います。

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