t木星とt金星の合 ~木星は本当に吉星か?~

4日後に蠍座の8度において、木星と金星が合します。
年に1度くらいの頻度で起きる配置ですのでそう珍しくはないのですけれども、せっかくなので活用方策でも考えてみようかなと思い立ちました。

木星も金星も肉眼で見える惑星ですし、それらが一緒に空に輝く時、相乗効果というものは当然期待できるだろうように感じますし、金星は言うまでもなく、木星も火星に次いで明るく見える惑星のようですから、それらの働きは非常に人間の意識で捉えやすいものがあるかも知れません。つまり、意識的な活用に向いているのではないか、ということです。

木星の働きについては、一般的に幸運の星、吉星などと言われています。
一方、土星の働きについては、現代になってから、それまでの大凶星、不吉な星といった伝統的解釈が相当見直されてきています。

そのように土星に対する解釈が大幅に見直されている一方で、木星の方の吉星とか幸運の星といった、非常にステレオタイプな見方については、あまり明確な見直しの意見は見かけないように思います。

木星について、「保護」というキーワードをよく見かることと、数字の「4」との関連性についての言及がよくなされているかと思います。

数字の4との関連性ということでは、ひとつには生命の樹のセフィロトであるケセドとの照応ということと、木星の惑星記号である「♃」の由来のひとつとして、数字の4であるとする説がある、ということかと思います。
そして、保護というキーワードについても、ひとつはその辺の4の持つ象意から来ているでしょうし、もうひとつは単に恩恵や発展を保護として捉えている、ということかと思われます。

しかし、木星の働きを機能的な面から考えますと、それはあくまでも拡大発展ということですので、数字の4のような、物事を枠にはめるとか、休止・休息を意味する数霊が照応するということは、個人的にはまったくあり得ないと感じられます。
保護という言葉も、どちらかというと安全な枠の中に入れるということですので、木星の働きを表す言葉としては、誤解を招きやすいものではないかと感じられます。

数霊的には、木星が太陽系最大の惑星である点や射手座の支配星であることからも、「9」を当て嵌めて考えることが妥当であろうと自分的には考えています。

木星が単に拡大拡張というベクトルの働きを持つ星でしかないと考えますと、現代の先進国のような基本的な生活環境が十分に整った状況においてそれを活用することには、一定の慎重さが必要な側面があるように思われます。

人が極めて数少ない望みを、一生を賭して叶えようとしていたような昔の時代とは違い、現代人の欲求や願望というのは、非常に利己的で反自然的な要素が多分に含まれたものであり、それらの多欲によって、現代人の多くは心身を病んでいる状態であるといってもいいのではないでしょうか。

物事が過剰な状態に至りますと、それは必ず腐敗を招いたり、自己目的化していく傾向を帯びることになります。そうしたことが木星の持つ宿命的なウィークポイントであり、反作用的に非平衡的な状態をもたらす可能性を常に秘めているという点に注意することが必要であるということになります。

現代人は富んで益々富を欲し続け、そうした中でまっとうな人間性を喪失し、心の平安を自ら放棄していく傾向があることを踏まえますと、近年に土星の働きが見直される動きが盛んである流れというのは、至極当然であるというように考えることができるかと思います。従来のような「不足」ではなく、むしろ「過剰」という要素が様々な深刻な問題を引き起こしている状況下にあるということです。

しかしながら、個人個人におかれましては、すべてが満たされているという訳ではないでしょうし、何かに関して不足があるという状況におられる方については、積極的に木星を活用されてみるとよいかと思います。

金星につきましては、愛情を表すというのが一般的ですけれども、ここで言う愛情というのは、どちらかというと物質や肉体レベルに近いものとして捉えた方がいいように思います。物欲や自己愛、所有物としての人間関係的なものでしょうか。

拡大発展をもたらす木星の力によって自己の中の金星的な要素を増す、ということであれば、自分の魅力をアップさせる、というようなことは非常によいのではないでしょうか。
一般的に言う恋愛運的なものは、自分の外に何かを求めることを志向するという方向性のものですから、あまり関わらないでいた方が無難ではないかと思います。

自分を磨くことに嬉々として取り組んでいるようであれば、自然と明るい運気が巡ってくる筈なのですが、占いや神社界が商魂逞しく宣伝をするために、かえって自らの運気を下げて幸運から遠ざかる方向へばかり誘導されてしまっている面もあるのではないでしょうか。

何事も、自分の外に求めると、結果的には貧しくなっていくことにしかなりませんので、何れにしましても、木星の発展的な力を、自らの向上に資する観点から活用することを心掛けることがよいのではないかと思います。

ちなみに、木星と金星が合する蠍座8度のサビアンシンボルは次のようなものです。
(SCORPIO 8 °): A CALM LAKE BATHED IN MOONLIGHT.
(私訳):月の光を浴びている静かな湖。

タロットカードの18「月」に示される内容との強い関連性を感じさせます。湖にせよ月にせよ、極めて女性的な受容性の象徴であり、それらが重なって示されているということは、受容する、即ち「待つ」という姿勢に徹することの重要性を示しています。外を見るのではなく、内側を深く見る、というようなことにも通じるかと思います。

この度数の正反対の度数である牡牛座の8度も参考に見てみますと次のようなものです。
(TAURUS 8 °): A SLEIGH ON LAND UNCOVERED BY SNOW.
(私訳):雪のない地面の上に置かれている橇。

正反する度数のサビアンは、常に陰陽裏表の内容を示しています。ここでは、蠍座8度の「待つ」という非常に受容的な姿勢に対して、「待てない」という精神態度が象徴されていることがお分かりになるかと思います。
要するに、雪が降るのを待ちきれなくて、早くも橇の準備をしているという、「性急さ」が暗示されているというように解釈することが可能ではないかということです。

以上のサビアン度数の意味合いを含めますと、来週の木星と金星の合に際しては、自らの魅力(富、容姿、バランス感覚等々)を磨く向上心を持ちながら、結果についてはあくまでも待ちの姿勢でいる、ということになろうかと思います。

どんな努力も、それが何らかの成果を期待してのことであれば、そうしたことはあざとさとして簡単に見抜かれてしまい、せっかく努力をしても実りを得ることはなくなってしまうでしょう。
そのようにではなく、自らの存在に対する畏敬と愛の心を持って、感謝の気持ちとともに自分自身を向上させ、磨かせていただいたときに、黙っていても恵みは訪れる、そのように信ずることが大切なのではないかということで、まとめとさせていただきたいと思います。

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