4月30日の満月
本日も大変よい月が出ておりましたけれども、明日30日の午前10時前には今月の満月を迎えます
太陽は牡牛座に入って既に三分の一が経ちましたけれども、今から一週間後には牡牛座の折り返し地点に達して二十四節気の「立夏」となります
季節の移ろいというのは本当に早いもので、既に夏日どころか30度を超す真夏日を経験したところも地域によってはあったようです
さて、今度の満月は太陽が牡牛座の10度、そして月が対抗する蠍座の10度の位置で迎えることになります
牡牛座は五感を中心とした物質的な現実感覚の世界であるのに対して、対抗する蠍座というのは感情の表には出て来ない奥深い潜在的な部分の世界であり、肉体と感情、あるいは物質と心といった相互に対立的な要素を持っています
対抗するサイン同士はそのように対立的要素を持っていますけれども、その対立的要素が相互に補完し合うことによって、はじめて地上における物事は成立できることになります
従って満月は太陽と月の作る軸に関する事柄について物事を成就する力を持つことになると感じられます
また、今回の満月においては、土星がぴったりと山羊座の10度にいることによって、両者の調停者としてこのイベントに影響をもたらしてくる可能性があると考えられますので、それについても後述したいと思います
(TAURUS 10 °): A RED CROSS NURSE.
(私訳):赤十字の看護婦。
(SCORPIO 10 °): A FELLOWSHIP SUPPER REUNITES OLD COMRADES.
(私訳):親睦の晩餐会が古い馴染みたちを再会させる。
まずは太陽の度数の牡牛座10度ですけれども、ここでは牡牛座らしい「保護的能力」というものが明示されています
牡牛座と言いますのは、自己を身体的・感覚的レベルで保護・防衛する傾向が強い訳ですけれども、そのように自己を保護する能力といいますのは、そのまま他者に対しても振り向けることが出来るということになります
傍で見ていて如何にも五月蠅そうで怖いような人と言いますのは、敵対関係になると非常に嫌な相手なのですけれども、その人と利害関係を同一にする立場に身を置いたような場合には、嫌な問題や仕事を片っ端から全部払い除けてくれますので、打って変わって丸で台風の目の中にでもいるように、至極安全で楽な立場でいることができるようなところがあります
世の中で質が悪いとみられるような人は大抵自分の子供などは信じられないくらい甘やかしていたり、外では非常にケチでしまり屋で通っているような人も、自分の家族にだけは非常な贅沢をさせて甘やかしているようなこともあるでしょう
同じように、牡牛座は我がままで頑固な面もありますけれども、身内に対しては特に物質的・肉体的レベルに関する保護的能力によって非常に心強い安心感を与えてくれる頼もしい存在となるでしょう
蠍座10度にある月のサビアン・シンボルは、古い馴染みが親睦会で再会するという場面ですけれども、これは共通の思い出を持った人たちの精神的会合であるとも言え、思い出の中に生きているかのように、感情的世界の中で生きる蠍座らしさの一面が表れています
そして、自分と同種の心理的波長を持った人や物事だけを蠍座は引き寄せますが、これは一種の同化能力の表れであり、同化といっても何にでも同化するという意味合いの同化とは反対の性質の、むしろ自分にそぐわないものを徹底排除して、自己に適合するものだけと徹底的に深く結びついていこうといった種類の同化力です
これらの牡牛座と蠍座の10度においては、それぞれが物的方面と精神的方面の両極にいながら、自分に相応しい物質的要素もしくは精神的要素をもって自分の周囲を固めて身を守っているようなイメージがあります
不動サインというのは、何れもそもそもが自己中心的になりやすいサインですけれども、獅子座と水瓶座の場合は能動的サインであり、自己を直接的あるいは間接的な形で外に向かって表現していくのに比して、これら受動サインの牡牛座・蠍座においては、自己中心性を自己防衛的な形で発揮していると考えられます
特にこの牡牛座と蠍座の10度が成す軸においては、物心両面にわたる鉄壁な防衛力というものが実現しそうな雰囲気があるようにも感じられるところです
自分が生きていくために絶対的に必要と考えられるものとしては、衣食住ばかりではなく、精神的な側面においても自己同一的イメージとしてのアイデンティティが欠かせません
あまり耳にはしないかも知れませんけれども、蠍座というのは精神的アイデンティティーへの固着を強烈に志向するサインである、ということは間違いなく言えるだろうと感じられます
明日の満月が成就する力として持っているテーマは、物心両面にわたって自分の生存に必要なものに対しては、多少貪欲なくらいな頑なさをもって獲得に臨むべきであり、それらが叶えられやすい時期となる、といったことになるでしょうか
国のレベルで言いますと、物的な面では経済と国土の防衛、精神的側面では民族的なアイデンティティということになるでしょう
経済はともかく、国土の防衛という点では、戦時占領下に制定された憲法によって自衛権を放棄しているかのような恰好となっておりますし、国民のアイデンティティも占領政策によって自虐的史観を植え付けられたままになっていることが、日本という国レベルにおいて、今度の満月の影響の及ぶ事柄として顧みられる必要がある課題であると言えるでしょう
最後に、太陽に対してトライン、月に対してはセクスタイルとなり両者を調停する位置に来る山羊座10度の土星に関してです
(CAPRICORN 10 °): AN ALBATROSS FEEDING FROM THE HAND OF A SAILOR.
(私訳):水兵の手から餌をもらっているアホウドリ。
この度数といいますのは、山羊座的な社会的・組織的な存在によって個の存在の安全性というものが完全に保障されている状態を示していると感じられます
そうなりますと、太陽と月のサビアン・シンボルとも非常に親和性を持ち、全体として安心感が強く漂う配置となっていると感じられます
世界情勢に関しましては、姿勢を転換した北朝鮮によって俄かにこれまでの危機的ムードが和らいでいるところです
しかしながら、先日はリビアにたいする米英仏によるいきなりのミサイル攻撃などもありましたし、全体的には危機的情勢は強まっており、今後も混迷を深めていくことになるでしょう
平和や安心が意識されるということは、それだけ現状が危機に瀕していることの逆説的な証明に過ぎません
全体が平和で安心感に満ちている時に、平和や安心が意識されることはほとんどないということを考えることが必要であり、ほっと安心したり平和なムードが流れるというのは、実は非常に危機的な薄氷を踏むような地盤に我々が立たされていることの裏返しに過ぎないことを忘れてはなりません
今のうちに気を緩めないでしっかりと防衛的態勢を整えておく必要があるというように考えることが、明日の満月の象意を正しく活用することにつながることになるのではないかと考えられます