大暑 しし座イングレス
明日23日の早朝に太陽はしし座にイングレスし、二十四節気上の「大暑」を迎えます
一年のうちで最も暑い季節であるこの時期といいますのは、人間の肉体的な活動力が最も高まる時期であろうかと思います
この正反対にはみずがめ座の始まりでもある「大寒」がありますが、この水瓶とは神の叡智の容れ物であり、こちらは最も精神的な活動が高まる時期であると感じられます
さて、しし座の持つ潜在的可能性のすべてが秘められているその最初の1度のサビアン・シンボル(ルディア版)は次のようなものです
(LEO 1 °): BLOOD RUSHES TO A MAN’S HEAD AS HIS VITAL ENERGIES ARE MOBILIZED UNDER THE SPUR OF AMBITION.
(私訳):野心の衝動によって生命エネルギーが駆り立てられ、男の頭にドッと血が流れ込む。
以前訳してみたときに、中々苦労したことを思い出しました
結果的にあまりよい訳ではないと思いますけれども、象徴的内容をあまりにも明快な形の言語表現で表すことには強く疑問を覚えるという基本スタンスであり、一定の分かりにくさを敢えて残したという記憶があります
名状し難い内なる衝動が、俄に彼の頭の中に押し寄せてきます
これは内にあるものを外に出したい、表現したいという強い内的衝動が顕在意識上に込み上げてきた瞬間であり、最も純粋な形ではそれは創造への衝動として現れるでしょう
より低次での現れ方としては、自分の外にあるものを自分のものにしたいという征服欲的な欲求の形を取ることも普通であり、異性の獲得などもその一つでしょう
とにかく、自分という存在の持つ力というものを、目に見える成果によって実感したいという自我欲求を、様々なレベルにおいて実現したいということです
自分が人間として生きて存在しているのだという実感を、現実的なレベルで強く体感したいという欲求であり、自分という存在が持つ力というものを確かめたいのだ、ということになります
そのためには、自分の内なるエネルギーのすべてを放出し尽くしても構わないし、そのための活動エネルギーは最高潮に達しているのではないでしょうか
対極にある水瓶座が、すべての現実に対して否定的な態度を取り、それらを超越する普遍的な理想を頭に思い描いて生きているのとは反対に、獅子座は自らの内なる欲求のすべてを、現実的な確かめられる結果として体験したいのだと感じられます
今は宵になると東の空に火星が上り、やや不気味な印象のある赤っぽい光で輝いているのが見られます
ちょうど昨日の夜、買い物に出た帰り道にその火星を眺めていたのですけれども、火星というのも内にあるものを外の世界に向けて放出するという働きを持ちます
火星というのは牡羊座の支配星であり、この段階ではあまり明確な自我意識というのは育っていませんので、外に向かってのエネルギーの放出というのは躊躇なく無分別的に行われることになり勝ちです
けれども、獅子座の段階では明確に自我というものが意識されており、内なる自分を外の世界で表現したりすることには常に恐れというものが付き纏うことになるでしょう
プライドやその裏返しとしての羞恥心というものを強く意識するような意識段階にあるということです
牡羊座には明確な自我意識はない段階であり、いくら失敗しても飽くなき挑戦に挑み続けることができるように感じられます
獅子座はそれに比べますと、自我意識が中心にありますので、その振る舞いとは裏腹にナイーブさも持ち合わせています
牡羊座には失敗という概念がそもそも希薄ですけれども、獅子座においては、成功と失敗ということが強く意識されてくることになります
暑さで参ってしまうようなこともある時期ですけれども、いざ体を動かしてみると、やはりこれまでにないほど円滑に力強く肉体を行使することができ、やはり行動的に活動できる時期であると感じます
一年のうちで最も行動的になれる時期には、そうした肉体的方面で大いに活動した方がいいでしょう
精神的な活動には不向きかも知れませんけれども、精神的な活動にしても、自身の肉体への信頼度というものに支えられてこそ、存分にその真価を発揮することができます
行動力の上限値的なものが、この大暑以降の時期の過ごし方で変わってくるということであり、精神的な活動をメインにしている人間であっても、身体的な能力や健康を維持・向上には務めることが必要です
わたしの場合は、とりあえず山登りや海水浴でもしてみようかと思います
そうやってあまり頭を使わない方面のことで、普段使っていない肉体的方面でのエネルギーの放出というのを心掛けることで自分への信頼感を高めることに向いている時期ではないかと思います
5室を恋愛のハウスであるとする説は一般的ですけれども、わたし的には恋愛というのは別のハウスに表れると感じられます
この獅子座の定位置である5室においては、すべてが自己本位的なレベルで行われることになるのだと感じられますけれども、一般的に言うと恋愛というのは非常に利己的で自己本位的なものが普通なのかも知れませんし、そのような意味での恋愛ということであれば、確かにこのハウスで好さそうです
獅子座は自己の存在証明として、自分の力というものを外の世界において示そうとします
ですからすべてが主観的で自己本位的なアクションとなる訳ですけれども、自分自身への揺らぎない自信を獲得するという自己の確立という観点におきましては、この自己本位的な在り方というものが非常に尊重されなければならない面があります
組織や他者とのつながりへの依存を主として、それらに対する従属的な姿勢での生き方というものを選択するタイプの人々にとっては、この獅子座的な自己本位的在り方と言いますのは批判的に感じられることが多くなるでしょう
けれども、創作やエンターテイメントなど、独自な世界観を世の中で表現して生きていくためには欠くべからざる要素であるとともに、自分の人生を真に自分のものとして生きようという場合にも、この獅子座的な自己の在り方の確立ということは不可欠な要件となってきます
わたしも社会をリタイアして、すでに一年近くになろうとしていますけれども、組織の中に身を置きながら、尚且つそれなりの年齢や立場になってきますと、益々組織への従属性というものが求められ、個人的な要素が疎外される度合いが強まってきます
組織全体の利益に対する奉仕的態度の優先が求められる中で、個としての自分の在り方、ひいては人間としての人間らしい在り方をすることが否定されていく、ということを身を以て経験したところです
そのような環境下におきましては、この獅子座的な要素というものが否定を受けているのだと考えてもよいのかも知れません
全体主義的な環境の中では、自分らしく、あるいは人間らしく頑張るということに対して、ネガティブな評価しか受けず、人間的な要素というものが封殺されていく傾向があります
そのような閉塞的な社会環境下において、一方では否定されている個人主義的在り方の成功者に対して賞賛が与えられますけれども、それは心理的な防衛機制に基づく補償に過ぎず、他者が勝ち得た栄光に自分自身も関わっているかの錯覚の中に生きることで、自由のない生き方をしている自分自身に対するコンプレックスから一時的に逃れようとしているのではないでしょうか
そのため、期待に背く結果や行いをした場合、それまでの崇拝の対象であったものが、今度は途端に批判の標的として世の中のさらし者にされることとなります
わたしは自由な立場に立ち戻ったことで、人の努力に対する純粋な畏敬の念を覚えることが多くなったと感じています
趣味でも娯楽でも何でもよいのですけれども、人間が現代社会の中で、自身の人間らしさを枯らさないようにするためには、この獅子座的な世界観で生きる自分を守り抜くことが必要です
失敗は成功の元という諺がありますけれども、人間は失敗を通してしか成長することは出来ません
今は風水害なども起こりやすい時期ですけれども、そこから立ち上がるためのエネルギーにも充ちている時なのであり、失敗にめげずに成功を夢見て挑み続ける強い姿勢を保ち続けることで、この獅子座的な自分を中心とした世界観の中において、自己の人生の主人公であり続けようと足掻き続けることが必要なのではないか、そんなことを意識しながら、これからの暑さ極まる獅子座の季節を生きてみたいと思います