トランスサタニアンのイングレスと時代の流れ
はじめに
今回は、冥王星の水瓶座へのイングレスが来年から始まるということで、冥王星が発見されて以来の時代の流れと冥王星イングレスとの関係性について、各時代の主立った出来事をピックアップしながら考えてみたいと思います
惑星の逆行の関係から時代の区切りにつきましては、最初にイングレスをするタイミングと最終的にイングレスするタイミングとの双方がありますが、今回は最初のイングレスをもって各時代の始まりと考える形にて統一することとしています
また、まだ試論の段階に留まる見解が含まれますことを予めご了承下さい
目次
1.冥王星のイングレスと時代の流れ
2.その他のトランスサタニアンと時代との関係性
3.トランスサタニアン同士の合
4.現在とこれからの時代
5.おわりに
1.冥王星のイングレスと時代の流れ
1.冥王星獅子座時代(1937~1955年)
冥王星は1930年の発見当初に蟹座にいましたが、1937年から獅子座にイングレスし始めました
第二次世界大戦へ向かう流れはすでに前の蟹座時代の時に、日本やナチスドイツの国際連盟からの脱退などがありましたが、実際に第二次世界大戦の直接的な切っ掛けとなった「日中戦争の勃発」(1937年7月)や「ナチスドイツのポーランド侵攻」(1939年9月)などにつきましては、獅子座へのイングレスの直前とその後に発生しています
この冥王星獅子座時代の前半は、戦争の勃発から史上はじめての核兵器の使用と終戦までの期間に該当し、後半は戦後処理と復興、日本においてはGHQによる占領から平和条約の発効による主権の回復(1952年)までの期間に該当しています
世界的な大きな流れとしましては、前期と後期とを通じて、世界の覇権がヨーロッパからアメリカへと移行していく流れというものがあり、この覇権の移行というのは、すなわちユダヤ金融資本がその拠点をヨーロッパからアメリカへと移した流れとも考えることができます
冥王星の獅子座イングレスの影響として最も顕著と考えられるのは、やはり核兵器の開発と使用であり、開発の端緒となる核分裂の発見から初めての実戦使用までが、獅子座イングレス後の7年間位の間に起きました
アメリカという新しい国家が世界の覇権国となるための力は、核兵器によってもたらされたと考えられるとともに、アメリカという強大国の存在自体が、冥王星の存在とは切り離せない部分を持っているものと考えることができます
アメリカが原爆の使用という自己中心的で荒っぽい自己表現の仕方によって、世界での覇権国としての地位を確立していった過程の中に、獅子座冥王星の象意が比較的明瞭に顕れているように感じられます
2.冥王星乙女座時代(1956~1970年)
冥王星が乙女座にイングレスした後、ソ連が世界初の人工衛星を打ち上げたのを皮切りにアメリカがそれに続き、この乙女座時代にそれ以外のイギリス、カナダ、イタリア、フランス、オーストラリア、日本、中国といった主要な国々もそれぞれ自国初の人工衛星の打ち上げを次々に行いました
また、人類初の宇宙旅行、宇宙遊泳、有人の月面着陸など、宇宙時代を切り拓いていくための画期的な成功が、この冥王星乙女座時代にありました
また、米ソを中心とした宇宙開発競争の他にも、米ソをはじめとする国々によって最も盛んに核爆発実験が繰り返されたのが、この乙女座時代のほとんどを占めている1960年代であり、米ソの冷戦も激化していきました
前の時代に起きた戦争を通じて発達したテクノロジーが、様々な分野で更に研究され次々と軍事以外の産業でも実用化されていった流れとなり、日本もこの時期に技術立国としての土台を築いたように感じられます
冥王星乙女座時代には、乙女座的な精密さの要求される技術の飛躍的な進展があり、米ソの冷戦状態というのも、乙女座的な批判的な態度で、互いに直接的にではなく、技術開発競争や代理戦争などの間接的な形で互いを牽制し合うという形で、覇権国家同士の対立が深化しました
3.冥王星天秤座時代(1971~1982年)
この時代に入る直前に、現在でも世界を裏で牛耳っている世界経済フォーラムが設立され、戦後に世界の基軸通貨となった米ドルに関しましては、金本位制の廃止による管理通貨制度への移行という非常に大きな経済的なできごとがありました
このことによって米ドルの発行は、アメリカの中央銀行であるFRBの株主であるロスチャイルド家などによって支配されることになったものとも言われています
この天秤座時代には世界中で様々な政治汚職事件が多発しましたが、これは政治家に対するお金による支配体制が確立されていった過程であると考えることができ、世界はアメリカを中心としたお金の流れによって支配され、意のままに操られるようにこの時期を通じてなっていったのではないでしょうか
天秤座は関係性を表しますが、アメリカを裏から牛耳る勢力がダボス会議を通じて世界を金の力で思うがままにコントロールする関係性の構築というのが進んでいった時代なのではないかと考えられます。
4.冥王星蠍座時代(1983~1994年)
この時代にはインターネットの誕生と家庭用テレビゲームの流行、Windowsの初めての発売などがあり、本格的なデジタル時代の到来時期と重なっています
また、日本のバブル景気とその崩壊が含まれる時期であり、ブラックマンデーと呼ばれる世界的な株価暴落などもありましたが、これは導入されたコンピューターによる自動売買機能が下落を加速させたものとされており、世の中の情報化が進んで行く過程の中で生じてきた出来事という側面を持つものとして捉えることが出来ます
冥王星という世の中を支配しコントロールする力が、新たに情報という手段を通じて人や社会を支配しコントロールする体制を確立し始めた時代であり、蠍座は物事を溜め込んで集積する性質がありますが、情報というのは集積することによってはじめて価値を成してくるものとなります
情報化が進めば進むほど、世の中のすべての動きは支配者によるコントロールを受けるようになり、それはやがて必然的に管理社会化へ向かう流れとなり、人や社会はその命運を完全に支配者に一手に握られてしまう方向へと向かって行きます
この時代に起きた米ソの冷戦の終結というのは、恐らくは支配者層がお金を稼ぐ主要な手段が、軍事産業から他のものへとシフトした結果であるとも考えられ、情報化の進展によって金融市場におけるマネーゲームによる錬金術に支配者層の主な関心が移ったからではないかと考えられます
5.冥王星射手座時代(1995~2007年)
この時代ではテロ事件が比較的に目立って起こりましたけれども、まずは日本でカルト教団による化学兵器を使用したテロが起きました
この前の蠍座時代に社会の情報化が進展したことや米ソの冷戦終結といったことにより、この射手座時代においては世界のボーダーレス化が一気に進展した側面があるように感じられますが、その結果として世界中で国際組織犯罪が多発するような社会状況が生まれて来たところがあるのではないかと感じられます
また、一連のテロ事件が宗教組織によって引き起こされていたという特徴もあるようであり、宗教を背景とした思想的対立というものがテロ事件を引き起こしていた側面があったのではないでしょうか
冥王星という力の発現がテロという形で暴発しましたが、国際犯罪という形や宗教の関わりという部分には射手座の象意とのつながりが考えられてよいのかも知れません
6.冥王星のイングレスのまとめ
間もなく終わろうとしている現在の冥王星山羊座時代につきましては、後ほど説明することとしまして、先に冥王星のイングレスと時代の関係性について簡単にまとめておきたいと思います
冥王星というのは、世の中を支配する力とその力に対抗しようとする力の存在に密接に結びついており、冥王星がイングレスするサインは、その力の発現がどのような手段を用いてどのように行使されるか、ということに結びついているというのが、大きな時代の流れの中で冥王星を考える場合の最も大きなポイントとなるものとして考えられます
冥王星が発見されて以来、世の中を支配しコントロールする力を発現するための手段としまして、次のようなものが見られました
①獅子座:核兵器を背景とした軍事力
②乙女座:様々なハイテクノロジーによる経済的競争力
③天秤座:汚職事件に見られるお金を通じた政治の支配とコントロール
④蠍 座:情報化と情報の集積を通じた人と世の中の支配とコントロール
⑤射手座:世界のボーダーレス化を通じた犯罪組織の国際化
冥王星発見以来の流れというのは、ユダヤ金融資本がアメリカという国を裏から操りながら、世界を金で牛耳り、様々な手段を駆使して世界統一政府の樹立を目指していく流れであるというように、現時点では見えてきています
2.その他のトランスサタニアンと時代との関係性
非常に大きな時代の流れを把握する場合に、冥王星のイングレスは時代の大枠を比較的明瞭に示してくれる印象がありますけれども、ここでは海王星や天王星などの時代への関与につきましても、少し触れておきたいと思います
1.海王星と時代との関係性
海王星はあまり現象界に明確な事象を引き起こす類いの影響力を持つものではないうように見受けられますけれども、時代という大きな流れの中においては、人類の集合的無意識への関与ということがあるのではないかと個人的には感じています
ちなみにここでは一般的に意識されている海王星の象意とは別に、少し異なる角度から実際に起きた出来事との相関性から、気になるものをピックアップしてみたいと思います
海王星は1846年の発見時には水瓶座に入座していて、翌1847年には魚座に入座し、1860年までの海王星魚座時代には、次のような出来事がありました
- 1852年12月2日:ルイ=ナポレオン・ボナパルトが国民投票の結果皇帝に即位しナポレオン3世となる(※ナポレオン3世の3つの外交政策のひとつは国民国家の樹立を目指すナショナリズム運動の支援であり、ナポレオン3世はナショナリズムの擁護者として知られている)
- 1853年7月8日:ペリーらが浦賀に来航(黒船来航)
- 1853年10月16日:クリミア戦争(~1856年3月30日まで)を通じてオスマン帝国などの多民族国家でナショナリズムが台頭
- 1854年2月:ペリーらが再来航して東京湾内で空砲による威嚇行動を行う
- 1854年3月:日米和親条約の締結により日本は鎖国を中止して開国に至る
この時期に日本に開国を迫ったのは米国だけではなく、同時期にロシアやオランダからも開国を迫られ、相次いで日露和親条約(1855年)、日蘭和親条約(1856年)が締結されましたが、結果として日本では外圧への脅威からナショナリズムが台頭し、やがて国学に基づく尊皇思想が広がって明治維新(1868年)の王政復古へとつながっていきました
このように、海王星の発見から間もない最初のイングレス、しかも海王星の本来の座である魚座に入座していた期間において、世界でナショナリズムへの流れが台頭していったことは非常に明確な歴史的事実ではなかったかと思えます
ナショナリズムというのは、単一あるいは複数の民族が、民族や民族間に共通する伝統や歴史、文化、言語、宗教などを保持・発展させるために民族国家や国民国家と呼ばれる近代国家を形成する流れですけれども、この魚座海王星時代というのは、人類の間で「民族性という集合的な要素」が非常に強く意識された時代であった訳であり、海王星の時代への関与の仕方の特徴として検討し得るものとなるのではないかと考えられます
ちなみに、ナショナリズム自体が海王星的な現象である事を意味するということではなく、天王星や冥王星もスピリチュアル天体としてそもそも集合的な要素を持っているし、ナショナリズムを社会変革や暴力性という側面から発現させ得るものと考えますが、海王星の場合は心の拠り所としてのものや現実逃避的な意味合いを持つものとして現れて来やすいのではないかと感じられます
2.天王星と時代との関係性
天王星の発見は1781年3月13日でしたけれども、当時の主な出来事は次のようなものでした
※ちなみに使っているスターゲイザーの天文歴の信頼区間の範囲を越えているため、星座との関係性はここでは見ません
- 1775年4月19日:アメリカ独立戦争(~1783年9月3日まで)
- 1776年7月4日:アメリカによる独立宣言
- 1783年9月3日:パリ条約締結により戦争が終結し、イギリスがアメリカ合衆国の独立を正式に認める
- 1789年7月14日:フランス革命(~1795年8月22日まで)
- 1789年8月26日:フランスで人権宣言採択
- 1791年8月22日:ハイチで黒人奴隷の一斉蜂起・ハイチ革命のはじまり(~1804年まで)
一般的にはこれらに加えまして産業革命との関係が取り沙汰されていますが、本格的な産業革命は1830年代の後半以降のことですので、天王星の発見からは既に50年以上が経過しており、天王星の公転周期である約84年の半分以上が既に経過してしまっている時点であったことから考えますと、天王星の発見と産業革命とを直接的に結びつけるのは無理があるところがあるようにも思えます
イギリス産業革命は1760年代に始まるともされていますけれども、何れにしましても産業革命というのは非常に長期的に緩慢に進行したものとのことであり、天王星の発見との絡みで「革命」という名に値するような事象の特定というのは、時代が古くて情報が少ないこともあり、中々難しいところがあります
産業革命
industrial revolution)は、18世紀半ばから19世紀にかけて起こった一連の産業の変革と石炭利用によるエネルギー革命、それにともなう社会構造の変革のことである。 (さんぎょうかくめい、英:イギリスの産業革命は1760年代から1830年代までという比較的長い期間にわたって漸進的に進行した。またイギリスに限らず西ヨーロッパ地域では「産業革命」に先行してプロト工業化と呼ばれる技術革新が存在した。そのため、そもそも「産業革命」のような長期的かつ緩慢で、唯一でもない進歩が「革命」と呼ぶに値するかという議論もある。
天王星に関しましては、一般的に「革命」や「改革」といったキーワードで語られることが多いですが、これはあながち誤りではないのですけれども、現象の表面だけを見ていて、奥にある実質的な部分が余り顧みられていない面があるように感じられています
天王星は水星のハイアー・オクターブとされますけれども、水星というのは知ることを通じて人や物事との関係性を築くことから、コミュニケーションに関係しています
人が何かと関係性を持つというのは、まず対象を知るということを通じて相互の関係性が生じて来ますが、人同士の関係性の親密度というのものも、互いのことをどれだけ多く深く知っているか、ということが関係性の深浅に直接的な影響を及ぼしており、知ることと関係性を築くことの間には非常に直接的な結びつきがあると言えます
水星は人や物事との直接的な関係性に関与していますが、ハイアー・オクターブである天王星の場合は、より上位的な「人と社会との関係性」に関与していると神秘占星術では考えます
アメリカのイギリスからの独立というのは、イギリスの植民地に過ぎなかったアメリカが、主従というそれまでの互いの関係性を変えて対等な立場となったというのが、アメリカの独立という事象の本質的な部分であり、実際に関係性が正式に変更されたのは天王星発見後の1983年でした
フランス革命におきましても、国と国民との関係性のあり方が大きく変わったというのが、その事象の本質的な部分としてある訳です
また、物と物との結びつきが変化した場合には、それは発明や技術革新という形で捉えられることになります
つまり、天王星というのは水星同様に、本来的には関係性に関与していると考えられる訳ですけれども、そのような天王星の捉え方は、これまであまりされて来なかったかも知れません
天王星はサイクルが短いので大きな時代の流れの中でその影響力を把握するのは難しいところがありますが、続きましては、天王星が他のトランスサタニアンと合を形成した場合に生じた事象について見てみたいと思います
3.トランスサタニアン同士の合
トランスサタニアン同士の合は、それぞれの天体が発見された以降で考えますと、過去に二度だけ生じており、何れも天王星が絡んでいますので、天王星の働き方に関するちょうどよいサンプルとなります
1.冥王星と天王星の合
冥王星と天王星の合は、乙女座において1965年10月、1966年4月、6月と生じていました
そしてこの合の影響は、その期間に生まれた世代の持つ特徴という形で最も顕著に表れました
この世代は1980年を中心に全国で吹き荒れた「校内暴力」を引き起こした世代であるとともに、社会進出した際に「新人類」と称され、その異質さが社会問題化した世代です
2つの天体の合というよりも、合の時期を中心として、冥王星が入座していた乙女座に天王星が入座していた次の期間に生まれた方が、この特殊な世代に該当すると考えており、大体1961年の11月から1968年の9月くらいまでに生まれた方が該当します
合の影響としてだけ考えますと、その期間はせいぜい3年間位となり、それだけで世代的な影響を世の中に強く与えるというのは不可能ですし、わたしは普段出生図を見ていても、特に冥王星の場合は、冥王星の入っているサインに他の天体があると、合の有無に関わらず天体の機能が強化されている印象を持つことが多いので、同じサインにあるかどうかということをアスペクトと同様に重視してチェックしています
この世代は社会における振る舞いにおいて、比較的傍若無人で怖い物知らずな側面があるように感じられるところがありますが、世の中の古い封建的な要素を一掃して、個人主義的な風潮を一気に強めていったのがこの世代であったように感じられます
一般的な世代の定義というのは様々な分け方があり、主にはマーケティングの必要性から世代分けがなされますが、この新人類に関しても分類上はもっと手前の年代から入れる考え方のものがあって一致しない部分がありますが、世の中で新人類の異質さが取り沙汰され社会問題化されるようになった世代というのは、上に書いた期間の世代が該当しています
2.海王星と天王星の合
海王星と天王星の合は山羊座にて、1993年2月、8月、10月に生じていましたが、先ほどと同様に考えますと、1988年2月から1995年4月くらいまでに生まれた方が該当するでしょうか
この世代はいわゆる「ゆとり世代」と言われた人達の中の最初の頃の人達ですが、こちらも一般的には教育制度や就職氷河期などとの関連性から定義づけられていますので、ここでの天体配置に基づいた考え方とは一致しない部分があります
この世代というのも、やはり社会問題化するような異質さを旧世代が感じた特殊な世代でしたけれども、わたしも管理職としてこの世代の部下とは直接に関わっていました
特にこの世代に問題があるという訳ではなく、単に旧世代からすると理解できない感覚を持っていて不安を覚える、ということで、本当はむしろ問題というのは旧世代の側にあるのだと考えた方がいいのではないかとも思われます
しかしながら、非常に物わかりが良く素直でまじめて、人間関係も良好に保とうとするなど、長所が目立つ一方で、やはり海王星が絡んでいることもあり、どこかしら分かりづらい要素を持っているということや、人や社会との理想的な関係性を実現しようとし過ぎる結果なのか、ストレス耐性が弱い面があるところは否めないでしょうか
3.天王星と世代との関係性
何故、天王星が他のトランスサタニアンと強く絡んだ際に、それまの世代とは異質性さが際だった世代が生まれてくるのか、ということについて書いておきたいと思います
天王星というのは時代との関わりにおいて、特に人と社会との結びつき方というものに関係しているとここでは考えていますので、天王星が冥王星や海王星と直接に絡んでその影響を強く受けた際に、その世代の人と社会との結びつき方には、それまでの世代と比べると異質と感じられるほどの変化が生じてくる、ということになるのではないかという推測をしています
上にあげた2つの世代の主な違いは、強い影響を与えたのが、冥王星であったか海王星であったかの違いにありますけれども、その違いは2つの世代間の特徴ともよく合致するところがあるものだと感じられます
ということで、時代の流れの中における天王星の主な影響というのは、各時代の社会に対する世代のあり方に現れるということで、トランスサタニアンそれぞれの時代の流れにおける影響の与え方というものを、ここでは次のように整理しておきます
4.現在とこれからの時代
以上の見解に基づきまして、現在の冥王星山羊座時代とその次の冥王星水瓶座時代について考えてみたいと思います
1.現在の冥王星山羊座時代
この時代につきましては、個別の事象によって特徴づけられると言うよりも、冥王星発見以来、主に冥王星の力が発現していたと考えられるアメリカを裏で操るユダヤ金融資本が、山羊座時代に入ってからは、ダボス会議を通じた世界統一政府の確立へ向けた地盤固めを進め、いよいよ世界への最終的なアプローチの段階にまで近づいて来た、ということが言えるのではないかと個人的には考えています
2020年はじめの冥王星と土星の合を切っ掛けとして、新型コロナの世界的パンデミックが始まり、その影響が長期化しているとともに、グレート・コンジャンクションも経た後、この時代は急速に不穏な流れを強めており、今年に入ってからはウクライナ戦争、安倍元首相の暗殺などによって社会の不穏さは募る一方であり、つい先日もアメリカのペロシ下院議長が台湾を訪れたことで、台湾有事の危険度も一気に跳ね上がったばかりのところです
世の中を支配しコントロールする手段としては、新たにウィルスと予防接種を通じての人や社会のコントロールというものがが新たに加わったということになるでしょうか
今後はありとあらゆる危機と困難の実現がかなり高い確率で予想されていますので、それが来年以降にどのように変化を見せる可能性があるのかということが最も関心の持たれる点となるところです
2.次の冥王星水瓶座時代
山羊座時代におきましては、力の一極集中化が益々進み、世界統一政府の実現までかなり近いところまで来ているというように捉えていますが、次の水瓶座時代におきましては、こうした動きへの反発として、世界が多極化に向かうことが予想されます
力による世界の支配ということ自体は恐らく、水瓶座の次の2043年からの冥王星魚座時代には終わる可能性が高いのではないかと考えられますども、それまでの移行期間として、中長期的にはこの山羊座時代には優勢であった体制が覆されていく流れとなっていくものと考えられます
そして、新しい勢力と古い勢力とが互いに対立しながら暫くは併存し、世の中は徐々に覇権の所在という意味では多極化の方向に進んでいき、それと同時に国家は中央集権的なあり方から分散型の社会へシフトしていくものと考えられます
また、この時代にはトランスサタニアン同士の小三角という天体配置の影響が、まず時代の流れを大きく変える切っ掛けを与えるのではないかと考えられます
前回の小三角は、第二次大戦に絡んでいた冥王星の獅子座へのイングレスが、核分裂の発見から核兵器の開発とその使用までの流れを作り出しましたが、核兵器の実戦での使用という決定的な事象を引き起こすに際しては、前回の小三角が直接的なトリガーとしての役割りを果たしたのではないかと考えています
ですので、今回の小三角というのも、冥王星水瓶座時代の流れを決定づけるような何らかの大きな事象を引き起こすトリガーとして作用するのではないかと感じられます
また、冥王星の位置が獅子座の時とまったく正反対の水瓶座であるということも、冥王星発見以来の世界の流れがここで大きく変わる可能性というものを感じさせるところです
海王星も冥王星に続いて新しいサインにイングレスしますので、続いてその影響についても考えて見たいと思います
3.海王星の牡羊座イングレス
海王星の発見以来、海王星の牡羊座イングレスは既に経験済みですので、まずは前回の海王星牡羊座時代の人類の集合的無意識への影響の仕方もついて確認をしておきたいと思います
前回の海王星牡羊座時代は1861年4月から1874年5月でしたが、次のようなできごとがありました
- 1861年4月12日:アメリカ南北戦争(~1865年4月9日まで)
- 1862年9月22日:リンカーンによる奴隷解放宣言
- 1867年11月9日:大政奉還
- 1868年1月3日:明治天皇による勅令「王政復古の大号令」発出
- 1868年10月23日:元号が慶応から明治に改元(明治維新)
アメリカの南北戦争は奴隷解放という、人間の平等性に根ざした人道主義的な理想の実現を目指したものであり、明らかにこの時の海王星が強く関与して起きた出来事であると感じられ、人類の意識が牡羊座という新しいサイクルの立ち上がり、そして情熱や挑戦といったテーマに基づいて、普遍的な真理に根ざした行為に果敢に挑む方向へと導かれたのだと言えるのではないでしょうか
日本におきましては、ちょうど明治維新が起きていた時代となりますが、この王政復古の流れと言いますのは、日本人全体が神代さながらに神話の世界に基づいて民族としてのアイデンティティーを再構築した時代、であったということができます
この前の海王星魚座時代のナショナリズムの流れを引き継ぎながら、更に神話の世界という日本人が固有する集合意識に突き動かされながら新たな国作りを行ったということで、やはり海王星の強い関与が窺われのではないでしょうか
明治維新は形の上では革命でありながらも実質的には革命というよりも、日本人の深層意識の変質が新しい国家形態への移行を必然的にもたらせたものであり、そこには民族の集合意識からの影響が最も強くあったのではないかと感じられるものではないでしょうか
現在は、2011年の4月あたりからの海王星魚座時代にありますけれども、イングレス直前に起きた3.11の東北大震災、そして2019年には元号が変わり、その後は皇室を巡る婚姻に関するスキャンダラスな騒動、コロナのパンデミック、安倍元首相の暗殺と、日本人にとっては集合意識が大きく揺さぶられるような事案が立て続けに起きている時代であるように感じられますが、前回の海王星魚座時代にも似たようなことが起きていたのではないかと感じられます
また、今の時代のイギリスのEU離脱なども、イギリス人の固有の集合意識への回帰に関わる出来事と捉え得るものかもしれません
今の時代は冥王星が山羊座で海王星が魚座という時代が十年以上も長く続いて来ましたので、世の中の現実的な側面の動きと精神的な側面の動きとの間に非常に大きな乖離が生じている状態が続いているとも考えられ、人々が虚無的な世界観へと陥りやすいような環境であったのかも知れません
しかし、今度は冥王星が水瓶座にイングレスし、続いて海王星が牡羊座にイングレスしますので、天体配置から考える環境というのは、非常に大きく様変わりしくることとなります
現代は格差社会とともに管理社会化が益々進展している状況にあり、大多数の一般市民は実質的に社会に隷属する奴隷化への道を突き進んでいるような状況とも言い得ますので、前回の牡羊座海王星時代に生じた南北戦争のような奴隷解放の流れというものが、2025年からの海王星牡羊座時代にも生じて来ることを期待したところです
また、日本は東京星図で見ているように、国家元首や政府に関して大きな変革が生じる流れが今後続いていくものと考えられますけれども、前回の明治維新の時のように、日本人の集合意識に根ざした新たな国作りへ向けた動きというものが出てくることにも期待をしたいと思います
4.海王星と土星の合
トランスサタニアンと土星の合に関しましては、2020年の冥王星と土星の合の影響というのは、比較的顕著に強い影響があったものと感じられましたが、2026年2月の牡羊座1度での海王星と土星の合というのも、社会に何らかの明確な事象をもたらす重要なものとなるのではないかと考えられます
冥王星のイングレスする水瓶座も理念的であり精神的な性質であることから考えますと、この冥王星水瓶座と海王星牡羊座というコンビネーションが作る時代といいますのは、2020年のグレート・コンジャンクションが水瓶座の1度で生じたこととも相俟って、一気に精神的で高い理念を実現するような方向性へと加速していく時代となる可能性、ということが考えられます
その様な中で、この牡羊座の最初の度数での海王星と土星の合というのは、そのような新しい時代の到来を印象づける事象を引き起こすことが期待できるものとなるもののように感じられます
5.おわりに
ということで、今回は少し長くなったかも知れませんが、トランスサタニアンのイングレスに関しまして、過去の出来事から各天体の時代に対する働き方を考えた上で、今後の予想をしてみたところです
基本的には人類がアーリマンとの戦いに勝利していくことを前提に、明るい見通しを立てていますけれども、真逆の方向性の予想というのも成り立たなくはありません
主な出来事は基本的にWikipediaの情報に拠っていますが、古い年代についてはそもそも情報が少ないですし、天体の影響を考える上では、本来はもっと幅の広い分野にかかる事象をピックアップしなければならないところでしたが、個人として今でできる範囲内での検討ということでご了承下さい
また、ここに書きましたことは、なるべく客観的な事実に基づいて合理的な説明が可能な範囲で行うことを心掛けてはおりますものの、わたし個人の独断と偏見に拠っている部分や考えが飛躍している部分も少なからずあるかも知れませんので、その辺もご了承いただければと思います
以上、非常に不十分で稚拙な内容ながら、何かしら皆様のご参考となりましたら幸いです
それでは、最後までお読みいただけました奇特な読者の方々には、厚く御礼を申し上げたいと思います