金星について ~願望成就の力~

最近、日暮れ頃から西の空には、金星が大変美しく輝いているのが見られます

所謂、一番星とか宵の明星と呼ばれる状態ですね

宵の明星は年中見られるものではありませんので、晴れた日の日暮れ以降には、西の空を注意して見上げてご覧になってはいかがかと思います

金星は見かけの明るさが、最大でマイナス4.7等級くらいと言われ、太陽と月を除いて、星と呼ばれるものの中で最も明るく、洋の東西を問わずにただ単に「星」と言えば、この金星のことを指していると考えられます

生命の樹の7番目のセフィラであるネツァクは金星と照応しており、イメージとしては若い全裸の女性で示されます

タロットカードでは大アルカナの第17番の「星」というカードには、やはり全裸の若い女性が中心に描かれております

ネツァクというセフィラの訳は「勝利」ですけれども、タロットカードの「星」においても、成功や幸運といったものが暗示されます

ホロスコープにおきましては金星は、2番目のサインである牡牛座及び7番目のサインである天秤座の支配星となりますので、これらのサインと関わりの深い性質を持っています

また、ホロスコープにおける金星もやはり若い女性を表しますけれども、先のセフィラやタロットにおいて全裸の女性として表されているものは、剥き出しの鋭敏な五感の感覚といったものがイメージされているという風に感じられます

牡牛座は五感の感覚と非常に密接な関係を持っていますけれども、若い女性の特徴と言いますのは、五感を楽しませることに対して夢中である、ということが言えると思います

女性は「かわいい」ものが大好きですけれども、この「かわいい」という表現が一体何を表しているのかにつきましては、あまり明確な説明はなされていないものと考えられますけれども、要するにこの五感をして悦ばしめるものに対して、「かわいい」という表現が用いられているのだとわたしは考えています

五感といいましても、第1には視覚であり、視覚を喜ばせ楽しませるものが、まず「かわいい」と表現されます

視覚に続きましては、触覚と聴覚とを楽しませるものについても、やはりこの「かわいい」という表現がなされます

五感のうちの味覚に関しましては、これは「かわいい」ではなく、「おいしい」と表現されますけれども、やはり女性というものは味覚を楽しませるものにも夢中になりやすいことになります

後は嗅覚が残りますけれども、これは「かわいい」でも「おいしい」でもありませんけれども、匂いに敏感であることもまた、女性に特有の部分であると感じます

このように、女性というのは牡牛座との密接な関係性によって、五感を楽しませるあらゆるものに夢中になってキャピキャピとはしゃいでいるところに大きな特徴を持っていると言えるでしょう

また、天秤座との関連性におきましては、社交的な性質や美意識、バランス感覚などが女性の特徴として考えられるのではないでしょうか

天秤座は風のサインであり、わたしはよく「関係性に関わる知性」という意味で「社会的知性」ということをこの天秤座に関して言いますけれども、人の考えていることを鋭く察知したり、相手との関係性について非常にうまくバランスを取ることに長けていると感じられます

女性といいますのは、五感を楽しませたり社交的感覚を働かせることによって、この金星の能力を極めて充実させています

一方、男性といいますのは、金星的要素を自分の中で上手く活用して満たせない部分があり、その部分を大いに充実させている女性への強い関心を持つことを通じて、自分の中の金星的要素を満足させようと試みることが普通です

男性は金星を活用している女性に自身の金星を投影させることによって、自分の中の金星的要素を満たしたいと欲求するということです

けれども、最近では「オネエ」や「男の娘」といった形で、男性でありながら金星を自分自身の身において体現することが許容されるような文化風土が形成されてきましたし、反対に女性ながら火星的な要素をメインに生きる生き方として、現場作業員やトラック運転手その他の、如何にも男性的な職業に就く女性なども増えてきました

今日は金星についてですので、火星については言及しませんけれども、世の中で女性的と考えられている文化の大半は、実は単に金星的なものであるということが言え、その金星的な要素を満足させるための方法というものが、時代によって移り変わって来ている、ということになります

男性が女性を好きだということの大半は、金星を上手に体現している存在に対する、補完を目的として抱かれる欲求に他なりません

ですから、それ以外の方法も色々とありますし、金星のハイアー・オクターブと呼ばれる海王星の活用という形において、そうした欲求を昇華することも可能となります

金星というのは極めて女性的でありますけれども、かと言って陰陽の原理という立場から考えた場合の女性原理というものの典型ということではなく、もっと中性的な性質を持っているということは、牡牛座という受動サインのみではなく、天秤座という風の能動サインの支配星でもあることから分かります

本来の受動的性質の中には、自分自身を積極的に魅せていくという要素はなく、女優やタレントさんの中で極めて濃厚に女性らしさというものを演出されてる方がいらっしゃいますけれども、そのように演じられる女性らしさというものは、実はその人の中にある男性的要素の強さをもってはじめて可能にされている部分が多くあると感じられます

金星的なものが「勝利」や「成功」、「幸運」といったものごとを暗示しているというのは、それは五感の感覚が満足されたときに人は幸せを感じるということが普遍的な事柄であるからだとわたしは考えます

また、人と人の間に争いがなく、平和で睦まじい状態というのも同様でしょう

要するに金星の働きと言いますのは、人間に「幸福だ」という感覚をもたらすわけです

しかしながら、この金星的な幸福感といいますのは、五感を中心とした極めて現実的で即物的な感覚に過ぎず、幸福感というよりは満足感という感覚により近いものであると言わなければなりません

女性の好きなもののひとつには恋愛があり、恋愛もまた金星的なものですけれども、恋愛というものも、ほとんどは五感において快い満足を得たいという欲求が根底にあると考えなければならず、それは楽しいものでもなければならないでしょう

世間で口にされる「恋愛」という言葉の中には、「恋」だけがあって「愛」の部分は度外視されていると感じられます

人は「恋」と「愛」の区別を弁えておく必要があり、また同様に「幸福感」と「満足感」の違いも同じく弁えていることが、様々な出来事を通じてもたらせる人生の混乱を回避するためには必要となります

人間にとっての「幸福」というものを包括的に語ろうと思えば、ホロスコープのすべての天体について語ることが必要ですけれども、それは一冊の本にするほどのページが必要となりますので、今日のところはここまでにしておきます

最後にわたしの出生の金星についてちょっと触れてみましょう

わたしの出生の金星は山羊座の15度にあり、山羊座の14度にある水星とコンジャクションしています

このふたつの天体はサビアンではひとつ違いの度数ですけれども、20分(10進法の)も離れておらずタイトにくっついています

ですので、わたしの場合は五感に関する物事はすべて水星的な思考と連動してしまうことになります

わたしは恋愛をしている間は、真の愛とは何かということを考えることが生活の中心となり、心理学の専門書などを読みあさったりしながら自分の中で自分なりの恋愛感を構築することに夢中になってしまいます

正直、恋愛している相手のことなどよりも、自分の頭の中で恋愛感について常に考え、その考えを日々深めて進歩することに対して、大きな喜びと満足を感じているというようなことになります

わたしの中で「幸福感(満足感のレベルの)」というものが感じられ難いことの理由の一つは、感じて楽しむべきところをすべて思考作用にすり替えてしまうところにあると言えるかも知れません

(CAPRICORN 15 °): IN A HOSPITAL, THE CHILDREN’S WARD IS FILLED WITH TOYS.
(私訳):玩具で満たされている病院の小児病棟。

これがわたしの金星のあるサビアン・シンボルですけれども、それは山羊座のピーク点にあります

山羊座が表す社会組織というものは、個人との対立概念としての文脈で語られることが多く、そのため、個人を損なうものとしてイメージされることが多いかと思います

けれども、社会というものは本来的には、個の命を守り育むことが至上命題として意識されている筈であり、シンボルのイメージにおいてもそのことが分かります

山羊座がそのピーク点において目指しているものとは、シンボルのイメージにありますとおり、衛生的で安心できる病室のような極めて保護的な場所で、人間が至って快適に楽しみながら生きることができる環境である、ということが言えます

ここに金星を持つということは、わたしの欲求は安全性や快適性が得られる環境というものを非常に強く志向しているということになります

わたしが一人で生きることが好きな理由の多くは、生活の中に生じるイレギュラー的要素を完璧に排除したいからであり、そのために他者という存在を自分の生活環境の中に入れたくない、ということが有ると思います

そして、いつでも快適で便利なように、必需品などのストックは必ず充たしてあります

とにかく、安心できて快適な静かな暮らしというものを強く求めています

参考に対向する蟹座15度も見てみましょう

(CANCER 15 °): IN A SUMPTUOUS DINING HALL GUESTS RELAX AFTER PARTAKING OF A HUGE BANQUET.
(私訳):豪華な食堂の中でゲスト達が盛大な宴会に出た後で寛いでいる。

これは、わたしが求める生活環境とは真逆のものであることが分かります

蟹座にとっては、大勢の人の団らんの中にいることが、何よりも寛げる環境であることを示しており、安全さと快適さが保障されている反面、それを邪魔する他者からは隔離されている病室とは正反対のものと言えるでしょう

病室の中の子どもほど、大切に保護されなければならない存在はなく、わたしは自分の願望として、そのような環境の中で生きることを強く志向しており、自分の中の金星的要素は、そのような環境下ではじめて満足を憶えるということになります

今日はこれを書く前に既に長い時間PCで作業をしていて草臥れてきましたので、今日はここまでにしたいと思います

 

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