プログレスの月のリターンについて考えて見る ~月の度数の持つ内的幸福感~

高すぎる大吉率

今年の五月に元号が令和となってから、その最初の5月朔日の月参りでおみくじが大吉であったので、きっと令和の時代には自分の本意に叶った形で活躍できるような場面が訪れるのではないかと期待を抱いたところです

それ以来、おみくじの大吉を引き当てることが異常に高い確率で続いていて、何と5ヶ月の間に13回引いたもののうち、6つが大吉という驚異に値する高さで続いています

ある一定の期間内に似たような内容のおみくじを続けて引くようなことは普段からよくあるのですけれども、5ヶ月も大吉が半分くらいの確率で出るようなことは今までの人生でもまったく経験のないことです

だからといって特に良いことも見当たらない、などと言いますとバチが当たるでしょうけれども、ホロスコープでは何かしらそのような兆候のようなものがあったたかしらと思い確認し直してみると、プログレスの月がネイタルの月の位置に回帰する時期が目前に迫っていることに、今になってはじめて気がついたところです

進行の月はひとつの度数に27日ほど留まり、大体27年周期でホロスコープを一周します

進行月の回帰の意味について、これまであまり掘り下げて考えて見たことはなかったのですけれども、前回の頃を思い返してみますと、とても幸福感に充ちていた時期であったように記憶しています

それでは、このプログレスのルナリターンの意味について考えてみたいと想います

プログレス・ルナリターンの意味

<太陽と月>

太陽というのは主体的な意志で能動的に人生を切り拓いて行くのに必要となる根源的エネルギーをもたらし、自己の本性に根ざした自由意志によって自己欲求を満たしていくアクションの原動力となります

は、太陽が能動的に「生きていく自分」であるのに対して、環境の中における「生まれた自分」として認識される部分であり、外からの刺激を受けて客観的に自覚される部分の自己であり、直感や感受性というものを通じて、自己の置かれた状況を認識しながらそこを起点にアクションを起こし、主に自己の生命の安全や安心の確保などに努めます

夫婦という存在を考えて見ますと、女性である妻といいますのは直感力に富んだ存在であり、自身が直感で感じた方向に向けて男性である夫を操縦するというのが普遍的なあり方であるように感じられます

社会的・現実的な物事に関しては、男性の理性的判断力の方がものを言うのですけれども、深い潜在意識からもたらされる直感というのは、人生の大きな方向性を見定めるには理性的判断よりも遙かに優れて有用なものです

ですので、男性が自分の人生上の岐路を決める際などには、自分の母親や奥さんなどに最終的な判断を委ねるようなことが多く見受けられることになるのではないでしょうか

最も、功利性や効率性などを最優先にする唯物主義的生き方をされている方にあっては必ずしもそうではないかもしれません

表側から見ると太陽が主体となり月が付き従うような格好に見えますけれども、裏側から見た実質的な部分というのはまったく正反対です

月が支配している潜在意識や夢の世界の中に存在しないものというのは、形として表の世界に顕現してくることはなく、見えない世界においてエネルギーが方向付けられ、イメージが構築されることなしに、現実的世界において何かが実現されるということはありえないことになります

そのように月と太陽とは互いに連携して陰陽和合した状態で一体的に機能するものであり、太陽的な外的世界での成長のためには相応して月の要素の成熟も必要であり、あるいは身近な存在によって月の要素が補われていなければなりません

月の支配する蟹座は、水のサイン特有の同化作用を持ちますけれども、有名なタレントやミュージシャンなどに憧れを抱くと、その人は次第に同じ雰囲気を身に纏うようになり、実際に似てきたりということも起きてきます

これは月の支配する内的世界において模倣的な同化作用が働き、その内在的エネルギーが次第に太陽の能動的な力によって外側にも顕現してくるということであり、外的な事象というのはすべからく内的世界にあるものの顕現ということになります

<直感と理性>

理性的判断というのはあくまでも世の中の現実的側面において見通しが利くような場合だけに有効なのであり、人生という非常に奥深くて複雑で不可解なものを理解することにはまったく適していません

洋の東西を問わず、優れた為政者には窮したときに判断を仰ぐ賢母や良妻、あるいはそれに代わる占い師などの存在が不可欠であるというのは、それらの存在が持つ優秀な直感力に頼ることでしか、不透明な見通しの利かない、既存のシステムの枠組みの外に存在する予測困難な未来に対して正しい選択を導くことは困難であり、理性の持つ合理的判断力というのはあまり役に立つ見込みがないということでしょう

理性による合理的考え方というのは、所詮は過去に得た知識や経験から因果論的に予測結果を導き出すものに過ぎず、未知のものに対しては不可知という態度をとる以外ありません

月は女性性を象徴し、それは無意識や夢の世界と通じ、神秘的直感力を司りますけれども、女性がそうした月の持つ要素を積極的に育てていくのに対して、男性はあまりそれを行わずにもっぱら母親や妻が持つ月の機能に依存するため、男性のホロスコープにおける月は、多くは未開拓のまま放置され、単にその人物の幼時の性格を表すに留まり、そうした男性というのはいつまで経っても内面に子供っぽさが残るということになるでしょう

人生の神秘を繙くために必要な直感を育てるには、タロットや占星術の類いに習熟することや、精神世界に関する学びをするといったことが大きな手立てとなるでしょう

また、自分の中の太陽の要素を育てることをしない場合には、自制心のない身勝手で我が儘な人格が助長されることになりますけれども、こちらは女性において見受けられやすい態度であると言えるかも知れません

今の時代は従来の封建的社会における社会的性役割が大きく見直される過渡的状況にあり、肉体や生理的側面における役割を除けば、男女ともに自分の中の太陽と月の要素を身近な異性に依存しない形で、バランスよく育てることが時代的な課題としてあるということが言えます

<ネイタルの月の度数>

月が表しているものというのは、自己の潜在意識下の世界とそこから直感により呼び覚まされてくるもの、また、直感が察知する危険や恐れから自身を守り身の安全と安心を確保する自己保全的機能、傷ついたり疲れた体や心を自己修復する癒やしやセルフメディケーションなどでしょうか

月は夜を司り、夜は安全が確保された家の中などの安心できる場所で、昼の活動で消耗した心身を休めて自己修復を図る為の時間であり、眠っている間は自我とアストラル体が肉体とエーテル体から抜け出して夢の世界へと入ります

我々は見えざる世界から生まれ、再び見えざる世界へと帰還しますけれども、夜眠っている間は見えざる夢の世界へと一時的に帰ることによって、肉体と精神とが回復されることになります

月はそのように夜に関わるすべての物事とつながっています

そうしたことを踏まえて出生の月のある度数というものの意味を考えますと、まず月が示す感受性のアンテナの持つ指向性や性能に関係しているのだと言えるでしょうし、また、自分にとって癒やしと安らぎを感じさせる物事と深く関係しているのだと言えるでしょう

例えば、わたしの出生の月は天秤座の24度にあり、そのサビアンシンボルは次のようなものです
(※原文出典:”AN ASTROLOGICAL MANDALA” by Dane Rudhyar)

(LIBRA 24 °): A BUTTERFLY WITH A THIRD WING ON ITS LEFT SIDE.
(私訳):左側に第三の羽を持った蝶

蝶はサビアンシンボルの中では、天秤座の1度とこの24度、そして水瓶座の25度と29度の4カ所に出て来ますけれども、何れも風のサインですね

蝶は霊的なものとの関わりを表すシンボルでありますけれども、第3の羽と言うのも第3の目と同じようにやはり霊的な働きを意味する羽ということであり、左側と言いますのもまた霊的・内在的な内容を指し示すものであり、このように幾重にも霊的な意味合いが重なっているのがこの度数のイメージとなります

24という数霊自体も、4が安全性や安定を示し、14が調和や癒やしを表すのと同様で、わたしには霊的な存在による庇護というものを強く感じさせるものとして感じられます

他者や環境との関係性においてバランス感覚を発揮する天秤座でありますけれども、24度の天秤座は発達した霊的感覚を多用して他者や環境との調和の確保に努めようとするでしょう

ましてやそれが月の度数という訳ですから、何かしら霊的な部分やスピリチュアルな世界観と調和する形において他者との交流を望むことになり、環境の中の霊的な要素に対して敏感な反応を示すことになるでしょう

この天秤座24度にある月は、精神的な安心感や安定感というものを強く求めるので、場合によってはそれが過敏な神経質さや線の細さといったデメリットとして出てくることが考えられます

こうした月が、わたしの場合は12室にありますので、そうした傾向は更に強まり、自分の精神の安らぎの確保のために孤独に引き籠もり、もっぱら霊的世界や内的世界との関係性ばかりに関心が向けられることになるかも知れません

現状で言いますと、まったくその通りの生活スタイルとなっています

更に、出生の月と太陽との関係性が重要となりますけれども、午前0時過ぎ生まれのわたしの太陽はほぼIcと合する位置にあり、月はAscのすぐ上にある下限の月に近い状態にあります

自分の出生図における月の位置と満ち欠けの状態というのは、月の持つ性質に大きな特色を与えることになりますので、是非一度、出生の月と同じ状態にある空の月を眺めて、その月からどのような印象を受けるかを実際に感じ取ってみることが大切です

夜遅くなってから東の空に上りはじめる下限の月というのは、寂しげでありますとともに、どちらかと言うとやはり厭世的な雰囲気を纏っているように感じられるものです

太陽がIc付近にいるという部分も、自分というものをあまり表に出したくなく、内的世界に閉じ籠もっていたい欲求の高さを強めており、あらためて客観的に見てみますと、結果的に脱サラをしてあらゆる人間関係を断って家に引き籠もりがちな今の状況というのは、自分らしく生きるという意味においては、必然的な選択であったのだということになるかも知れません

と言いましても天秤座の月ですので、人との交流が苦手という訳ではなく、むしろ好きな方だと思いますけれども、それ以上に孤独な環境にいたいという欲求の方がはるかに勝って強いというだけのことです

ということで、自分の月というのは、どこまでいっても孤独が好きで、現実的世界ではなく夢や霊的な世界との親和性が高いということが再認識され、間もなくプログレスの月のリターンを迎えようと言う時、自分の月の持つ本来の性質が十分に発揮される環境に身を置いているということは、これは偶然的なことではなく、おそらく必然的に引き寄せられた状況なのだと言えるのではないでしょうか

<天体がリターンすることの意味>

プログレスの月がネイタルの月の位置に戻る時期といいますのは、やはり心地のよい至福感のある時期になりやすいように感じられますけれども、その人の月の状態や月の要素の開拓レベルによっては不安や恐れの感情が最大化するようなこともなくはないのかも知れません

ホロスコープを27年かけて1周した月というのは、それだけの年月に見合うだけの成長をしている筈のものである訳ですけれども、それがそうと自覚できるのは、やはり出生の位置に戻って来る時期になるのではないでしょうか

天体が元いた場所に回帰するというのは、言わば長い旅路の果てに生まれ故郷の生家へと帰って来た瞬間であると言えますけれども、以前に慣れ親しんだ環境に再び立ち戻った時に湧き起こってくる感慨といいますのは、以前の自分との違和感というか、自分も成長して随分変わったんだな、といった実感ではないでしょうか

プログレスの月がネイタルの位置に戻ったときにはじめて、自分の中の月の要素がどれだけ変化し成長を遂げたのかを実感することができます

そして、元の度数において本来のエネルギーの周波数と同調することで自己の本来性を回復し、心機一転して次の成長へと向けて再出発することができることになります

わたしの月はAscの直ぐ上ですので、プログレスの月とAscが合する時期もまたすぐやって来ることになり、これもまた人生の新しいステージへ向けての出発という意味合いが強いイベントになります

加えまして、わたしの場合はあと1年半くらいでプログレスの太陽が牡羊座にイングレスするのですから、今年から来年にかけて、わたしの人生というのはこれまでの道程とはまったく異なった新しい展開が間近に迫っているのだと言わざるを得ないでしょう

プログレスの月の回帰と言いますのは、自分にとっての安心と癒やしが最大限に得られる場所へと帰還する訳ですから、それはとても待ち遠しいものとして感じられる筈であり、その数ヶ月前から心理的にかなりの影響が及んでもおかしくはなく、冒頭で触れたおみくじで大吉を多く引くような状況というのも、この月の帰還というイベントに関係しているものとして考えてもおかしくはないように感じられるところです

 

ということで、今日は自分のプログレスのルナリターンについて考えて見ましたけど、自分の月について考えると、やはり気持ちがほっこりしてくるものです

自分にとっての母なる存在に代わるものとしてのこの月の適切なケアは、人間が生きていく上での最も基礎的な部分として大切にされなければならない部分であり、しばらくは自分の中の月の要素がどのように活かされているのかについて、太陽との連携ということも視野に考えを深めていきたいと感じるところです

 

 

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