宿命を乗り越えさせる力
ソーラー・リターン前後の天体配置
今週末の新月が生じる天秤座24度はわたしの出生の月の度数でもあり、この出生の月に対するいくつもの重要な天体の配置が次のように今年のはじめ頃にあって個人的に大きな影響を受けているところです
①ソラーリターン図における経過の月、冥王星、土星の合(山羊座の23度、24度、25度にて最大でも1.3度のオーブ)
②ソーラリターン時に、合した状態の月、冥王星、土星が出生月に対してスクエア(オーブはすべて1度未満)
③進行図(CPS方式)における進行の月と土星のオポジション(ソーラーリターン時にはオーブ2度強であるものの、3月末には正確に合)
このようにソーラーリターンという特別な時期を中心にして、特に月と土星という要素に関して、経過の月と土星の合、出生の月と経過の土星のスクエア、進行の月と土星のオポジションというように、三重の刺激を強烈に受けていました
冥王星に関しましても、出生の月と経過の冥王星のスクエアと経過の月と冥王星との合は、どちらもオーブが0.5度程度のタイトなものであり、冥王星は今年を通じてずっとこの付近に留まったまま出生の月に対するスクエアの位置を保ち続けています
これらの相互に強く関連している天体配置の重なりは、確率的に考えましても生涯上においても極めてレアなものとして強い影響を及ぼすのが当然のものと考えられますし、実際に今年一年を通じて影響が持続的に発揮されていると感じられるものです
また、1月のソーラーリターンから9ヶ月近くになろうという同じ年の間に、今年強い刺激を受けている出生月の度数上で新月を迎えるということもまた、極めて意味深さを感じさせるイベントとなりますけれども、この4日後の17日の新月の度数とわたしの出生月の度数の間には、0.1度強ほどのずれしかありません
出生の月
まずは出生の月が表しているものについて再確認をしておきたいと思います
月は年齢域で言いますと0歳から7歳と言われていますけれども、この時期には身体や心の基礎的な部分がしっかりと構築されていくにつれて体質や気質などの先天的な素質が明らかになってきます
これらの先天的性質というものは、ほとんど潜在意識の働きに拠っている無自覚的な部分であり、後天的に意識して変えたりすることがほとんどできない部分です
月と水星と金星というのは、何れも前世のカルマに密接に基づいた宿命的な要素を持つものですけれども、その中でも月はもっとも宿命的な部分を表しているものと考えられます
もっとも宿命的であるというのは、もっとも変えることのできにくい部分であるということであり、そうした前世由来の先天的な体質や気質などは、潜在意識下の働きで自動化されているものであり、通常は経過のアスペクトの影響なども容易には及ばない部分となります
月は人間の生命体としてのもっとも基礎的な部分に関係しているので、経過の天体の影響にしょっちゅう強く左右されてしまうようであれば、その生命というものは極めて不安定なものとなってしまうことでしょう
しかし、人間というものが長い人生を生きていく間には、次の来世に向けて前世とは異なる要素を培っていく中で霊的に成長をしていきますので、その霊的な成長に見合うだけの変化が、どこかの時点では体質や気質といった部分にも及んでくることがありえるということになります
人間が大きな病気や事故などを契機にして、大きく変わってしまったりするようなことがありますけれども、それは変わらざるを得なくなるような内因が霊的に蓄積されていたことの結果であるというようにも考えられるところです
霊的な内因としては、霊的な成長ばかりではなく、ある場合には霊的な退行ということもありえるのかも知れませんし、それ以外にも考えられるかも知れません
けれども、人間というのが霊的な目標を地上で実現する存在であることを前提とすれば、霊的な向上によって目標が生前に設定していたものと異なってきた場合などには、そうした異なる目標の実現が可能となるように、人間のインフラとしての身体的・心理的機能というものがバージョンアップされて最適化される必要性というものが生じて来るものに違いありません
特に、昨今のように人間の寿命が長寿化して活動可能な期間が延びてきているような時代状況におきましては、これまでよりも頻繁に人間のインフラ部分のバージョンアップの必要性が生じて来る可能性があるようにも感じられるところです
経過の土星が与える影響
ルドルフ・シュタイナーは、『火星・木星・土星を、「人間を解放する惑星」と名付けることができます。それに対して、金星・水星・月を「運命を規定する惑星」と名付けることができます。(「星と人間」風濤社)』と語っています
「運命を規定する」というのは前世のカルマの影響に捕らえられている状態ということであり、それを「解放する」というのは、カルマを乗り越えさせる力であるというように考えられます
そして、わたしの考えでは主には火星と金星、木星と水星、土星と月というのが、決して一意的にそうなっているとは言わないものの、それぞれペアとして成立するのだろうと考えており、シュタイナーも「土星の特質が、ある意味で、月の特質に対立しています」とか、「金星は、非常に注意深く、火星が語ることに耳をすましています」とか、「水星は、結合・推理する思考のマイスターです。いっぽうそれに対して木星は、叡智あふれる思考のマイスターです」などと語り、それぞれの関係性について仄めかしています
ということで、月の持つ宿命的な要素をもっとも解放してくれる可能性を秘めているのは、やはり土星なのではないかと感じており、出生の月に対して経過の土星がスクエアとなる時というのは月の持つ潜在意識下の先天的要素に変化が与えられる可能性があり、合やオポジションに際しては月の持つ先天的要素が強化、固定化される傾向があるのではないか、というように考えています
土星の公転周期は29.53年ですけれども、月の朔望は平均29.53日掛かけて一巡する(国立天文台HPより)とされており、年数と日数の違いを度外視すれば奇しくも数値的に一致しますし、月が約7日毎に新月・上弦・満月・下弦となるのと同じように、経過の土星も出生の月に対し、約7年毎に合・スクエア・オポジション・スクエアとなるわけです
土星はカルマを表す天体であるというように一般的にはよく言われていますけれども、そうではなく、カルマに目を向けさせてそれを乗り越えさせる天体なのである、と解釈することが正しいのであろうと感じられます
月は先天的要素の他にも、日常で繰り返されることが潜在意識下で自動化される「習慣」というものにも強く関与しますので、およそ7年毎にある習慣が強化されたり、または変化させられるのだということも言えるでしょう
また、月は前世の影響がもっとも色濃くでる天体であり、土星は人生で成し遂げるものを意味するという意味で、来世にもっとも影響する天体であるということも言えるのではないかと感じられます
前世というものを気にする人というのはとても多い割りに、今生きている今生の生き様が与える来世への影響というものを意識する人は非常に少ないように思われるのは、人生の意義ということを考える上ではとても残念なことであるのかも知れません
占星術におきましても、自分の生まれ持った資質を気にするという視点ではなく、生まれ持ったものをどのように活かしたり克服して来世に繋げていくのか、といった視点で観ることというのが非常に大切なように思われます
何がどう変わったのか
わたしはこの9ヶ月の間というもの、絶え間なく次々と様々な身体症状に悩まされてきたのですけれども、かなり健康法マニア的なところのある自分でも、今年ばかりは何を試みても次々に症状が形態を変えていくだけで、自力で快方に向かわせることがまったくままなりませんでした
今年は世の中全体が大変な混乱を来していますし、はじめからそれを見越して何もせずじっと堪え忍ぶ積もりの一年であった訳ですけれども、ある意味では世間と苦しみを共にできたという意味では非常によかったのかも知れません
今月に入ってからも調子を崩していたのですけれども、今回は多少時間を要しながらも、はじめて自分の状態をコントロールして快方に向かわせることができたように感じられましたし、4日後には節目となる出生月と極めてタイトに合する新月を迎えますので、そろそろ来年のことも計画しはじめなければならないタイミングであり、その前に今年の総括をしておかなければならない時期となりました
この9ヶ月間の不調を通して何か変わった部分があるのかは自分ではよく分からないのですけれども、絶えず何らかの形で身体のどこかが炎症をし続けていて、生命力の余力が精神活動に回す分がほとんどないような状態が続いていましたけれども、その炎症の熱量の総量たるや凄まじいものになるでしょうから、何かしら多くのものが燃えて焼き尽くされたのではないかと感じられるところです
短期で経過するのか長期的にダラダラと経過するのかは別としまして、何れにせよ月の持つ先天的な要素が変化をするような場面では、自分ではどうにもできなきような強制的な形で強い刺激が与えられることになるのでしょう
わたしの場合は冥王星と合した状態の土星が関与した訳ですから、相当な出来事が生じたとしても不思議ではなかったところであり、ある意味ではもっとも穏当な経過の仕方であったのかも知れません
何がどう変わったのかにつきましては、今の時点では何とも言えませんので、是非今後のブログを通じて確認していっていただけたらと思いますけれども、少なくとも今これを書いている時点では何かしらワクワクする気分を強く感じているところです
ということで、週末の新月を迎える前に自分の中で少し整理をしておきたかったことに加えまして、月と土星に関して少しだけ考察をしてみました
月と水星と金星の宿命から、土星と木星と火星がどのように人を解放するのかにつきましては、またあらためて触れる機会を持てればと思います
以上、多少なりとも参考になりましたら幸いです