サビアン度数による自己補完の試み ~宿命からの解放~

サイン内の数霊による補完関係

以前の記事、「タロットの数霊が持つ補完的関係性について」において考察しました数霊の持つ補完的関係性につきまして、今回はそれをサインの上で考えてみることにしたいと思います

一つのサインは30度ありますけれども、最も基本的な構成としては、15度をピーク点として折り返す形の前半と後半の二つ折りとなります

これは1度で射出されたものが放物線を描いて上昇し、やがてまた着地点に降りてくるイメージのものです

ここでは縦に足して31となる15の組み合わせ(1+30、2+29・・・15+16)があり、この31という数字がサインの全体性への回帰を意味していて、それぞれ縦に並ぶ数字の組み合わせは相互に因果的対応とともに補完的関係を有するものと見なします

サインの構成として次の段階で考えられますのは、サインを10度ずつに区切ったデーカンが三段階並んでいるというものです

ここでは各段階のデーカンをやはり真ん中で折り返す形が考えられ、このように考えます時は、すべてのデーカンを第1デーカンと同じ足して11となる5通りの組み合わせ(1+10、2+9・・・5+6)に還元して簡便に考えることができます

もちろんここでは1と10、2と9、3と8、4と7、5と6が、それぞれに因果的、補完的対応関係を持った組み合わせであると見なします

サインの構成について、わたしは最初のように前半と後半で考えることもあれば、デーカンで考えることもあるのですけれども、一見それは矛盾することのように受け取られるかも知れません

しかし、結局のところサインを次のように折りたたまれたものとして認識すればそんなに矛盾することでもないと考えられます

実際の応用の仕方

上で見たサインにおける数霊の対応関係を、実際に応用するやり方について実例を示してみたいと思います

ホロスコープの中では、特に月と水星と金星において、その人の宿命的傾向としてのクセが顕れやすいものと考えています

それでは実際にわたしの出生天体において、数霊による補完によって宿命的傾向から解放される考え方について見てみたいと思います

☽ 月

月はその人の先天的・受動的な性質であり、無意識的な反応に関与していますので、自身の偏りを自分で客観視して是正することのとても難しい部分になります

わたしの出生の月は天秤座24度にあり、サビアン・シンボルは「左側に第三の羽を持った蝶」となります

「左側」も「第三の羽」も「蝶」もすべて霊的な感覚の象徴であり、この度数では天秤座の持つ周囲や環境とのバランス感覚が非常に研ぎ澄まされて鋭敏であることが示されています

周囲や環境にあるあらゆる違和感を細大漏らさず感知しますので、大変ストレスを得やすい部分というのも出て来ますけれども、風の活動サインですので基本的には周囲や環境に対して自然と関心が向けられてしまいやすいことになり、月という最も受動的な天体はそれについて上手く自分でコントロールすることが難しいので、周囲からの刺激に晒され過ぎてしまう状況から上手く逃れることができないかも知れません

さて、この天秤座24度の月を、まず天秤座というサインの中で補完することを考えてみますと、天秤座7度との組み合わせで考えるということになり、そのサビアン・シンボルは「鶏たちに餌をやりながら彼らを鷹から守っている女性」というものです

天秤座は周囲や環境との関係性の中で生きることを志向しますけれども、それは他者の影響力の中に身を晒していくことであり、他者に利用されてしまう危険性というものがそこには常に潜んでいて、天秤座はそのような中でも自分を損なわない形で上手くバランスをとって他者との関係性を構築していく術を学んでいかなければなりません

天秤座に限らず、新たに人と関係性を結ぶ際や、新しい環境に身を置く際などには、常に自分の中の大切なものが相手や環境からの影響で損なわれる危険性というものが意識され、怖じ気づいてしまう気持ちを持つということが皆さんにおいても少なからずおありでしょう

天秤座はそれでも尚且つ人や環境の中に飛び込んでいく訳ですけれども、そこでは他者による不当な浸食によって害されることのないようにとの防衛心が常に意識されなければなりませんし、自分にとって不快で有害な存在に対してどのようにあしらえば良いかなどについても弁えていなければなりません

そのような7度において示される防衛心というものを24度は今一度意識すべきなのであり、一方的に影響を受けているだけでいてはいけない、というようなことが言えるでしょう

他者から受動的な形で一方的な影響を被ってしまい勝ちで、そのストレスに悩まされることがわたしの天秤座24度の月においては多いと考えられるのですけれども、もっと自分自身を守るような意識を常に持っているようにすればバランスは保たれる筈ですけれども、何度痛い目を見てもすぐに無防備に他者に対する警戒心を解いてしまうようなクセが無意識のうちに出てしまう困ったところがあります

以上は同じサイン内での補完の考え方ですけれども、サインの閉じられた環境から出て、ホロスコープというより大きな全体性の中で本格的に補完するには対向するサインの度数が必要となります

対向する度数は牡羊座24度「開け放たれた窓から吹き込んだ風によって豊かに円錐形に広がったカーテン」というサビアン・シンボルです

天秤座24度のイメージが主に自分の周囲に向けられている鋭敏なアンテナであるとすれば、牡羊座のそれは自分の中の本能的な部分に対する鋭敏な感覚が示されており、それは自分自身の中に眠る本能的なエネルギーをふつふつと呼び覚ますような力と通じているでしょう

つまり、環境や他者との関係性の中で、その鋭敏さのためにエネルギーを消耗して疲弊しやすい天秤座24度は、自らの内側の本源的な部分とよくつながることを意識するようにして、自分の内からこみ上げてくるエネルギーを補給することについてよく考えなければいけません

それはサイン内での補完で見ましたような、防衛心を持つというような対処法よりも、更に一歩踏み込んだより根本的な解決方法となります

しかし、対向サインの性質を自らの中に取り込むというのは、普通には中々できないことであり、自分自身に対する拘りや捕らわれというものをまずは手放していることが必要となり、一見自分とは相反する存在に思える対向サインの資質を、意識的に取り込まなければなりません

けれどもそれによって、それまで敵対関係にあると思っていた強敵が、今度は心強い味方についてくれるといった頼もしさを感じさせることになるのではないかと感じられます

☿ 水星

続いて知性を表す水星ですけれども、山羊座の14度にあり、サビアン・シンボルは「花崗岩に刻み込み込まれた古代の浮き彫りが、長く忘れられた文明の証として跡を留めている」というものです

タロットの14番「節制」は内部に調和をもたらす癒やしなどにも通じるカードですけれども、14はホメオスタシスを表す数霊であり、適切な内部循環によって内部の調和が回復・維持される過程を表しています

山羊座という社会制度を表すサインにおけるホメオスタシスというのは、古代文明にその源を見出したり、共通する普遍的要素を見出して、そこに大義名分を得るようなことに通じているでしょう

この度数は山羊座という保守的で防衛的なサインにおいて、安定や安心という似通った要素を更に重ねて追究していくことになりますので、、殊に自分が拘りを感じる物事に関しては、生真面目さや慎重さが少々度を越した脅迫観念染みた形で発揮されるかも知れません

知性や実務的な物事全般に関わる水星がこの度数にあれば、考えすぎる傾向や潔癖な性分などが強まることになり、ストレスを溜め込みがちになるかも知れません

ここでサイン内の補完ということを考えてみますと、山羊座の14度に対して山羊座の17度が対応し、そのサビアン・シンボルは「欲求不満の女性がヌーディズムに精神的解放を見いだす」というものになります

山羊座は物事に確実さや堅実さを求めますけれども、どこか杓子定規で窮屈なところがあるのが欠点です

しかし、この17度においては、人間の低次の欲求も満たされることが許されており、山羊座において生々しい人間らしさが回復されるポイントと言えるかも知れません

山羊座は外面でそのしかつめらしい雰囲気を保ちますけれども、そのせいで抑圧され勝ちとなる内部の低次の欲求部分にも、どこか捌け口を見出してあげなければいけません

タロットの17番「星」は、奇しくも山羊座17度のサビアン・シンボルに示されているヌーディズムに惹かれる女性を連想させる図柄でもありますけれども、これは自分の好きなことに取り組める環境を意味しますので、意味合いとしては通じている部分があるものと感じられます

社会的重圧を余儀なくされる重責を担うような立場の人物が、SMや赤ちゃんプレイなどに興じるような、そのような抑圧からの解放の必要性というものが、山羊座17度の「欲求不満の女性がヌーディズムに精神的解放を見いだす」では示されているでしょう

わたしも職場にいた頃や仲間内などでは、下らないふざけた会話をよくしていたものでしたけれども、根が至って生真面目な性分で、何かしら真剣に考え事をしているのが常であったので、自然とそのようにしてバランスをとっていたのでしょう

しかし、現在のようにお喋りに興じる相手もいない環境下で、真面目な内容の記事ばかりを書いていますと、やはり疲れや行き詰まりを感じることがとても多くなってしまいますので、水星の機能が関わる事柄において、欲求不満の解消に努めるようにしなければなりません

続きまして更に一歩進んで、対向するサインである蟹座の14度での、より高度で本質的な補完についても考えてみたいと思います

そのサビアン・シンボルは「北東のとてつもなく深い闇と向き合っているとても年老いた男」というものです

蟹座においては感情的機能がよく働きますけれども、感情機能が14の数霊の働きによって内的調和を取り戻すためには、虚空に向き合って心の波を凪ぎさせるようなことが必要ということになるでしょう

シンボルに出てくる北東という方角は、東洋の方位学が北東を「鬼門」としているのと同様に、霊的な世界に通じやすい方角として捉えられますし、とてつもなく深い闇と向き合うことは、霊的空間の絶対の静寂と向き合って心の波を鎮めることと解釈できます

山羊座の14度は自己の安定や安心のために目に見える形の現実的な努力や工夫を重ねようとしますけれども、蟹座の14度では形なき深淵に向かって忘却することによって健全な機能の回復を図ろうとします

山羊座14度にあるわたしの水星にとっては、この蟹座14度は沈黙して思考を停止させることの価値を指し示しているでしょう

自分の考えが正当であることの証拠を延々と探し回ったり、屋上屋を架すように無駄に考えに考えを重ねるようなことをやめて、一層黙って考えることを止めてしまうことで却って得られるものがあるということになります

心配すべきことを心配するのならまだしも、やたらに無用の心配をしたり、必要以上に物事に完璧を期すような無駄な努力をしないためには、確かに考えることを一切やめて黙り込んでしまうことが一番でしょう

山羊座は勤勉で休むことを好まないところがあり、頑張りすぎる嫌いがありますから、そういうことによく気をつけるようにした方が、結局は効率性を取り戻せるということになるでしょう

♀ 金星

わたしの金星は山羊座15度にあり、サビアン・シンボルは「玩具で満たされている病院の小児病棟」というものです

金星は自分が欲する願望を表しますけれども、15という数霊も強い欲望とそれを実現する力を表しており、タロットでは15番「悪魔」になります

15度はサインのピーク点ですので、そのサインにおいて最も強く希求され、目標とされているものが示されているでしょう

山羊座というのは社会制度によって人の生命や生活の安全が保証され、その中で自分の趣向にあった豊かな暮らしができることを目指します

それを端的に表現しているのが、病室という極めて保護された安全で安心できる空間の中で、好きな玩具で満たされているシンボルの情景ということになるでしょう

山羊座というのは防衛的なサインであり、防衛的と言えば正反する蟹座や、牡牛座、蠍座なども同様にそう言えますけれども、山羊座の防衛の仕方は目に見える制度や壁などによる強固な守りです

社会的ステータスというのも自分を守る一種の防壁として見ることができ、自身の安全と豊かさとを保証してくれるステータス的なものは、この15度というピーク点において獲得されるのかも知れません

願望を表すわたしの金星は、容易に他者の侵入を許さないような極めて安全で安心な環境を求め、そこで自分のしたいことに打ち込みたいと欲していることになりますけれども、その反面孤独には陥りやすくなるでしょう

互いに遠慮をしないようなフランクな人付き合いというのは、山羊座の金星はそもそもあまり得意ではないでしょうけれども、いくら山羊座が孤独に対する強い耐性を持っているとは言え、それにも一定の限度はあるものと考えなければなりません

さて、サイン内での補完では次の山羊座の16度が該当し、サビアン・シンボルは「体操服姿の少年少女で溢れている校庭」というものです

15度で病室にいた子供が元気になって学校に復帰した姿とも受け取れますけれども、何れにしても活気に満ちた雰囲気のイメージです

サインの前半で何かを獲得していき、後半のこの16度で折り返して、今度は獲得したものを人や社会の中で応用して行かなければなりません

体操服姿の子供達の姿というのは、人が社会的動物として生きていくための、その最も初歩的な訓練を受けている段階を表しているとも言えるでしょう

15度において自己の欲求の充足が最大限に求められましたけれども、その求めて得られたものを、今度はどのように活用していくのかが問われなければなりません

わたしの金星が、邪魔の入らない安心できる環境で好きなことに打ち興じられる状態を望んでそれが得られたならば、今度はその環境を活かして、何か人や社会に役立つことも次第に考えていくのでなければなりません

タロットの大アルカナの16番「神の家」の解釈は、伝統的なマルセイユ版ではとてもポジティブな意味合いでの「解放」を意味しますけれども、神の恩寵により閉じ込められていたものが解放されて外に出る、というものです

個人的な解釈としましては、あらゆる囚われから解放され、大地に根ざしながら、自分の自由意志で生きていくための道が拓かれる、ようなことも示していると感じられます

一つ前の15度のサビアン・シンボルについて、それを小児病棟に閉じ籠められている子供の姿、として読むのであれば、それが次のこの16度において、病棟から解放された子供の姿、として捉えることができるでしょう

山羊座は目的意識が強いために頑迷さにも陥りやすいので、自らを様々な囚われから解放させるようなことに意識的に取り組んだ方が良いのかも知れません

さて、山羊座15度の金星をより高度で本質的に補完するためには、蟹座15度のサビアン・シンボルである「豪華な食堂の中でゲスト達が盛大な宴会に出た後で寛いでいる」について考えることが必要です

山羊座が志向しているのは、人にとって安全で安心できる環境のために、それを守る堅牢な防壁を、諸々の社会制度によって築くようなこと、と考えることができますけれども、蟹座においては人と人との関係性によって自らを防衛しようとする姿勢が見て取れます

人は山羊座的な社会的ステータスのような安全なポジションを獲得するために、競合相手となる他者とは距離を置きがちになる傾向があるのに対して、蟹座は人間同士の絆という見えないもので自己を守ろうとし、他者との親密な距離を持ちながら、何かを一緒に楽しもうとします

蟹座15度における、人と人とが互いの警戒心を解いて寛ぎながら、盛大な宴会で飲食を共にして楽しんでいるようなイメージと、山羊座15度の他者の入り込めない安全な病室の中で玩具を独り占めにしている子供のイメージとは、まったく正反対のあり方をしているのですけれども、双方共に自己の安全と安心を確保しながらその環境の中で楽しみを求めている、という意味ではまったく同じテーマが共有されていることが分かります

そのように胸襟を開き合って楽しみを共有できるような関係性というのを、少なくてもよいので持つようにすれば、自分の苦しみや楽しみを共有してくれるその存在のお陰で、山羊座はより強くなり、タフでストイックな生活にも立ち向かって行けることになるでしょう

最後に

本当は太陽についても書く積もりでいましたけれども、それなりの分量になってきたので省略することにしたいと思います

太陽についても同様に考えることは大変に有意義ですけれども、太陽の年齢域というのは、既に成人していて自分の意志で人生の選択をしていく段階にありますので、はじめから自覚的な世界で生きていることになります

月から金星までの年齢域というのは、まだ人間として無自覚な部分が多く、それぞれの機能が多かれ少なかれ潜在意識化で自動的に働いてしまうような部分があります

その部分の生まれ持った性向をよりよく補っていくことは、よほど親の躾や教育上の好環境に恵まれなければ難しいことになりますけれども、何れにしても無自覚的なために結局は宿命的に流されやすい部分となります

ここで考えたような補完の仕方を考えることは、無意識的に働いてしまう宿命的傾向から解放されるために、役立つ部分があるのではないかと考えるところです

サビアン・シンボルで考えるのが難しい場合でも、単に対向するサインの性質に向き合ってそれを取り込んでいくように心掛ければよいのではないかと思われます

以上、何かしら参考になりましたら幸いです

5+

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です